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20世紀の精神 の商品レビュー

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2017/12/15

20世紀に刊行された著作のなかから、著者自身が大きな影響を受け、繰り返し問いかけを受け取ってきた6冊をとりあげ、その内容について論じている本です。とりあげられているのは、フロイト『精神分析入門』、ソシュール『一般言語学講義』、T・S・エリオット『荒地』、シュミット『政治的なものの...

20世紀に刊行された著作のなかから、著者自身が大きな影響を受け、繰り返し問いかけを受け取ってきた6冊をとりあげ、その内容について論じている本です。とりあげられているのは、フロイト『精神分析入門』、ソシュール『一般言語学講義』、T・S・エリオット『荒地』、シュミット『政治的なものの概念』、ベケット『ゴドーを待ちながら』、プリモ・レーヴィ『溺れるものと救われるもの』です。 フロイトによる無意識の発見や、ソシュールの言語学からはじまったとされる構造主義は、いずれも近代的な人間の主体性を解体しました。また、著者が論じているエリオットの「歴史的意識」も、文学テクストにおける作者の特権性を否定したポストモダニズムと響きあうものを有しているように思えます。さらに著者は、シュミットをあつかった章の終わりで『ハムレットとヘカベ』に言及し、徹底的に世俗化された神学ともいうべきシュミットの政治思想の「外部」から到来するものに、まなざしを向けようとしています。そしてベケットやレーヴィの作品が、それぞれの仕方で20世紀の思想の極北を示していることはあきらかでしょう。 著者はあらかじめ一つの構想にもとづいてこれらの作品をとりあげたわけではないようですが、それでもこうして並べてみると、20世紀の思想的課題がくっきりと見えてくるように感じられます。

Posted byブクログ

2011/05/30

[ 内容 ] 歴史認識がなければ私たちの未来はない。 戦争の世紀とも、欲望の世紀とも呼ばれるこの一〇〇年、では人間の英知は、何を認識し、思考し、創造してきたと言えるのか。 フロイト『精神分析入門』、ソシュール『一般言語学講義』、エリオット『荒地』、シュミット『政治的なものの概念』...

[ 内容 ] 歴史認識がなければ私たちの未来はない。 戦争の世紀とも、欲望の世紀とも呼ばれるこの一〇〇年、では人間の英知は、何を認識し、思考し、創造してきたと言えるのか。 フロイト『精神分析入門』、ソシュール『一般言語学講義』、エリオット『荒地』、シュミット『政治的なものの概念』、ベケット『ゴドーを待ちながら』、レーヴィ『溺れるものと救われるもの』。 この六冊の書物をめぐる省察から「二〇世紀の精神」を問い、新しい歴史哲学を希求する。 [ 目次 ] 無意識―フロイト『精神分析入門』 言語―ソシュール『一般言語学講義』 文明―T.S.エリオット『荒地』 国家―カール・シュミット『政治的なものの概念』 想像力―ベケット『ゴドーを待ちながら』 人間―プリモ・レーヴィ『溺れるものと救われるもの』 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ