YASUJI東京 の商品レビュー
111冊目『YASUJI東京』(杉浦日向子 著、2000年3月、筑摩書房) 東京の風景画を描いた明治時代の画家、井上安治。彼の絵に魅せられた女子大生が現代と明治の東京を行き来する、静かで奇妙な幻想漫画。表題作の他、短編6本を収録。 収録作品はどれも低血圧な印象で、これまで読んでき...
111冊目『YASUJI東京』(杉浦日向子 著、2000年3月、筑摩書房) 東京の風景画を描いた明治時代の画家、井上安治。彼の絵に魅せられた女子大生が現代と明治の東京を行き来する、静かで奇妙な幻想漫画。表題作の他、短編6本を収録。 収録作品はどれも低血圧な印象で、これまで読んできた杉浦作品とは異なる読後感。全体に「ガロ」的な雰囲気が漂っており、リリシズムという言葉がピッタリと当てはまる。 奇しい気配を纏う、地味だが上品な短編集である。 〈東京は 月の入るべき 山もなし ビルより出でて ビルにこそ入れ〉
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2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1190.html 2018/08/12 予約 9/26 借りて読み始める。 9/27 読み...
2018/12/26 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1190.html 2018/08/12 予約 9/26 借りて読み始める。 9/27 読み終わる。 先日 なんかの展覧会で 「風景画家 井上やすじ」の絵を見ました。 合わせてTV番組でも やすじの絵を見て興味が出たところで、友人がこの本をすすめてくれました。 大好きな 杉浦日向子の 漫画です! アンニュイな感じで 摩訶不思議な世界に引き込まれます。 この本では、チラ見?できる 井上安治の絵を ちゃんと見たいと思って調べました。 ・ 明治東京名所絵 色刷り 井上安治/画 角川書店 (1981.11) ・ 色刷明治東京名所絵 井上安治 角川書店 (1981.00) ・ 『井上安治描く明治の上野・浅草 わが町の記録』 〜 台東区立台東図書館/編 台東区教育委員会 (1992.11) これは、図書館では 貸出不可になっています。(深川図書館で閲覧できるのかな?) 安治の師匠 小林清親 の本も探しました。 本書後半は、杉浦 日向子の 単行本未収録作品が併録されていますが、これがまた面白い。 この世とあの世の間を垣間見る不思議な感覚が、これぞ杉浦日向子ワールド。
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夭折の画家・井上安治テーマに、明治の東京と昭和の東京とが交錯する。 筋と言えるものもなく、淡々と安治の絵と現代とが相互に描かれるのだが、その淡々ぶりがまたよい。 こういうテーマの選択も、杉浦日向子のすごいところ。
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日曜美術館で紹介されていたので興味を持って購入。 タイトルの井上安治テーマの作品より他の陰陽道的な作品の方が面白かった。
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短命の浮世絵師・井上安治を主題としながら、現代の女子大生が彼氏であろう同級生と掛け合いをしてYASUJIの絵を紹介していく。師匠(と勝手に私が呼ばっている日向子さん)が井上安治に興味を抱いていることは他のエッセイ等から知れており、本書購入の動機にもなった。単行本未収録集も良かった...
短命の浮世絵師・井上安治を主題としながら、現代の女子大生が彼氏であろう同級生と掛け合いをしてYASUJIの絵を紹介していく。師匠(と勝手に私が呼ばっている日向子さん)が井上安治に興味を抱いていることは他のエッセイ等から知れており、本書購入の動機にもなった。単行本未収録集も良かった。まんが日本昔ばなしのようだった。
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初・杉浦日向子。 興味はあったもののなんとなく手を出さずにきましたが、別の本で紹介されていたのをきっかけに読んでみました。 井上安治という明治の浮世絵師の話。最近、江戸の浮世絵に興味があったもので、そっちを入り口に。 杉浦日向子といえば江戸時代?というイメージですが、この作品は昭...
初・杉浦日向子。 興味はあったもののなんとなく手を出さずにきましたが、別の本で紹介されていたのをきっかけに読んでみました。 井上安治という明治の浮世絵師の話。最近、江戸の浮世絵に興味があったもので、そっちを入り口に。 杉浦日向子といえば江戸時代?というイメージですが、この作品は昭和と明治の東京が舞台。詩的っぽすぎて私にはわからない部分も多かったが、東京が郷土である者の、ちょっと遠慮がちな地元愛みたいな、そんな感じが良かったなあ。 安治の話の他に短編もいくつか収録されていて、そちらも楽しめました。これからは杉浦日向子本ももう少し真剣に、買うかもしれないつもりでパラパラ立ち読みしてみよう。
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主人公が、アスファルトの下に眠る東京の原野を想うシーンに共感。東京で生まれ育った自分が感じていた違和感とか、嫌悪とか、そういったものが「そうだったのか」と氷解していくような感覚だった。
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主人公の女の子が東京のビル群を見てお墓と似ているというのが何とも不気味。戦争、地震、荒野になった東京は何度も復興して新しい街を作ってきた。杉浦さんが描いた当時よりさらに高層ビルが乱立する街をみて、また荒野になるのだろうかと恐れてしまう。安治の描いた東京が何か予知的なものを感じさせ...
主人公の女の子が東京のビル群を見てお墓と似ているというのが何とも不気味。戦争、地震、荒野になった東京は何度も復興して新しい街を作ってきた。杉浦さんが描いた当時よりさらに高層ビルが乱立する街をみて、また荒野になるのだろうかと恐れてしまう。安治の描いた東京が何か予知的なものを感じさせている様な気がするのは気のせいか。
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風景画家・井上安治に思いを馳せる女学生が、安治の足跡を辿り、その師弟関係を描く物語。 「鏡斎まいる」の未収録作品も併録。 井上安治の描く東京と、明治の東京を行き来しながら、当時の絵描きが見た風景を探ろうとする不思議な漫画。 師弟の絵を並べ、その作風の違いを考証する場面はなかなか...
風景画家・井上安治に思いを馳せる女学生が、安治の足跡を辿り、その師弟関係を描く物語。 「鏡斎まいる」の未収録作品も併録。 井上安治の描く東京と、明治の東京を行き来しながら、当時の絵描きが見た風景を探ろうとする不思議な漫画。 師弟の絵を並べ、その作風の違いを考証する場面はなかなか興味深い。 現代に生きる女子学生とその彼氏の、いかにも現代人的な会話が、東京の転換をまざまざと浮かび上がらせている。 題材は面白いが、少々わかりにくいので星三つ。 「鏡斎まいる」がやっぱり好きです。
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