ファクター10 の商品レビュー
持続可能な社会を作るために、製品・サービスのライフサイクル環境効率を上げる経済的・社会的枠組みづくりを提唱した環境経済学のバイブル。2020年代の今、EUがライフサイクルCO2規制・関税を導入しようとしている。1994年に刊行され、1997年に日本語版が出版された本書に、時代がよ...
持続可能な社会を作るために、製品・サービスのライフサイクル環境効率を上げる経済的・社会的枠組みづくりを提唱した環境経済学のバイブル。2020年代の今、EUがライフサイクルCO2規制・関税を導入しようとしている。1994年に刊行され、1997年に日本語版が出版された本書に、時代がようやく追いついてきた。ここに、本書の背表紙のメッセージを紹介しておきたい。 -- 人にはどれだけの環境が必要だろうか? 日常、私たちが使用している製品やサービスのためにどれだけの環境が消費されているのであろうか? 例えば、ある製品が店頭に並び、私たちの手に入るまでに、原料が世界のあらゆる場所から集められ、輸送され、加工され、何千キロ、何万キロもの旅を経て膨大なエネルギーを消費していることに私たちは敏感だろうか? 現代の物質的に豊かな社会の中で私たちは常にこのような重い「エコリュックサック」を背負っている。本書は、MIPS(material input per unit of service)=エコロジカルに健全な経済発展のための指標、の考え方を提示する。今、私たちはより少ない環境の消費によって持続可能な発展を考えなければならない。そのためには具体的に現在の10倍の(=ファクター10)生産・消費効率が必要である。本書はその経済的、社会的なエコ効率を実現させるための具体的な方法と経済的な裏付けを綿密に分析し、提案する。エコ効率革命を今こそ実現するときがきた。
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