古代史を解く『鍵』 の商品レビュー
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1995年刊。 著者門脇禎二は京都府立大学名誉教授・京都橘女子大学学長。 森浩一は同志社大学文学部教授。 現地踏破を旨とし考古学への親近感を隠さない上、文献史学にて斬新な切り口で歴史ファンをあっと言わせる門脇と、考古学を広く世間に知らしめ、多くの古代史・考古学関連書の監修も務める森。 この二人が古代史の種々のテーマにつき縦横無尽に語る対談書である。 対談テーマは ① 年号鏡の意味、 ② 筑紫の磐井や出雲等の古代地方権力の実像と奈良権力との関係、 ③ 継体王朝の意味、 ④ 氏姓、 ⑤ 女帝の意味 など。 だが議論の展開は彼方此方に飛ぶ。それゆえなかなか追いかけるのが難しい。対談で読みやすいが、内容はハードだ。 応神5世孫とされる継体の時期が、考古学的知見では副葬品その他によれば、その前の時代とを区分けする画期である点、また、継体が応神5世孫ではなく、垂仁から相当経過した子孫であるという可能性、日本海(越)と他の日本海地域や朝鮮半島東部との関係性など、②③が興味深い。 また、地方権力に関心が深い二人ならではの④もなかなか興味をそそる(内容の難易度が高いけれど)。
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