巣鴨プリズン13号鉄扉 の商品レビュー
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1995年刊行。本書は、BC級戦犯の遺書や家族の証言から、戦犯対象者の犯した構成要件該当の具体的事実とそこに至る過程、訴因特定や公訴事実の特定に至る過程、公判過程や収監時の模様、さらに、遺族の戦後の道程などを内容とするものであり、かなりの部分で他書と被る。比較して本書の特徴は、列挙事例は10に及ばないものの、逆に個々事案の叙述の具体性は増大している。中でも、従軍朝鮮人の戦犯処刑者(遺骨はともかく、補償や遺族年金は事実上放置のまま)遺族への取材が異色か。
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・読み応えあり。こういうのを丹念に掘り起こすのがカミサカさんの真骨頂だよなあ。時間の降り積もりに埋もれていく一方の歴史を掘り返してくれる。 ・サンフランシスコ講和条約以降にプリズンの制約がかなり緩んだあたりは、以前読んだ「プリズンの満月」に詳しかったので一助となった。 ・何にしろ...
・読み応えあり。こういうのを丹念に掘り起こすのがカミサカさんの真骨頂だよなあ。時間の降り積もりに埋もれていく一方の歴史を掘り返してくれる。 ・サンフランシスコ講和条約以降にプリズンの制約がかなり緩んだあたりは、以前読んだ「プリズンの満月」に詳しかったので一助となった。 ・何にしろ戦犯なんてのは戦勝国の一方的な報復行為に過ぎないんだよ。敗戦国としてはそれは受け入れるしかないんだけど、それは敗戦後の栄華に引き換えて生贄を供出した行為に他ならない。それだけは忘れちゃいけないと強く思う。 ・そして家族。戦犯とされた人達の家族を思うとき、この文明の名を借りた理不尽についてとことん思い知らされる。
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