ポストモダニストは二度ベルを鳴らす の商品レビュー
機知とユーモアに富んだ辛口なイギリスの批評家、G.アデア氏による、90年代の文化論。文学や絵画、映画からポップ・アート、広告、Tシャツのロゴなど実に多岐に渡るテーマをとりあげ、20世紀前半に支配的であったモダニズムの失墜によって、いかにしてそれまで伝統として保持されてきた文化的価...
機知とユーモアに富んだ辛口なイギリスの批評家、G.アデア氏による、90年代の文化論。文学や絵画、映画からポップ・アート、広告、Tシャツのロゴなど実に多岐に渡るテーマをとりあげ、20世紀前半に支配的であったモダニズムの失墜によって、いかにしてそれまで伝統として保持されてきた文化的価値や権威の解体が生じたかを論じている。 特に、もはやとどまる所を知らないコンピュータの技術革新がもたらした情報化社会における、あらゆるものの際限無きコピー又は増殖が可能となり、そして欲望に任せ商品化されては消費されるといった現象の分析には、21世紀も10年を軽く越えた今日の様々な文化事情にも十分通じるものがある。
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90年代文化論なので内容はちょっと前の話題で新鮮味に欠けるのは仕方が無いのですが、この著者の軽妙にして的確な文章には笑えます。特に、S ・スタローンとA・シュワルツェネッガーの比較論にはゲラゲラ笑わせて頂きました。90年代文化を知っている大人の方向けのちょっと懐かし系の本です。
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