1,800円以上の注文で送料無料

閔妃暗殺 の商品レビュー

4.1

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/01/02

日本と朝鮮の関係、その歴史は古く複雑に絡み合い血筋も混じっていると言う。 教科書では一行で終わる事件、その背景を知りたくて読むことにしたが、事件への興味と同じくらい角田房子さんという著者の聡明さに惹かれる。 言い方が悪い所もあると思うけれど… 朝鮮は衣食住に於いて現代とは思えな...

日本と朝鮮の関係、その歴史は古く複雑に絡み合い血筋も混じっていると言う。 教科書では一行で終わる事件、その背景を知りたくて読むことにしたが、事件への興味と同じくらい角田房子さんという著者の聡明さに惹かれる。 言い方が悪い所もあると思うけれど… 朝鮮は衣食住に於いて現代とは思えない自然と共存した暮らしであったと言う。 それは李王朝が支配して労働は悪のように考える風潮があったから。国民そして奴隷という人たちには過酷な人生だったと想像する。 平然と行われる収賄、正義なんてお金で買える、それは今の韓国や北朝鮮の人にも深く根強く残っているのではないか。 とは言え隣国でありお互い助け合うことも出来たはず、何故これまで拗れることになってしまったのか悲しみに耐えない。 話は閔妃に戻る、公然と地位名誉が一夜に変わる時代、運命によって担ぎ出された王の妃と言う立花。 沢山の女性の中の1人からトップに立つまで、立ってからもあり続けることに執着した心は幾許か。 中国無くして朝鮮はない、宗主国だと公然と言う王室の他力本願的考え。 それが中国だ、いや日本だ、えードイツ、あアメリカ…… ダメだやっぱりロシアだ!と寝返りを打ち続ける事が 事態を招いたように読んだ。 相当な努力家で頭も良かったのだろう。そのMP別に使えば国は滅びず平和に豊かになっただろうに。 そして韓国と北朝鮮と二分することもなかったのかもと思えてならない。

Posted byブクログ

2020/02/02

韓国では忠臣蔵並みに誰でも知ってるという暗殺事件。日本人が殺した。さらにその前に、国内の政争でもいったん殺されかかり、遺体不明で国葬もされた後逃げていたことがわかり復権している。なかなかわかりにくい時代だが、角田房子の文章が読みやすく、このままドラマにしてほしいほど。やはり下支え...

韓国では忠臣蔵並みに誰でも知ってるという暗殺事件。日本人が殺した。さらにその前に、国内の政争でもいったん殺されかかり、遺体不明で国葬もされた後逃げていたことがわかり復権している。なかなかわかりにくい時代だが、角田房子の文章が読みやすく、このままドラマにしてほしいほど。やはり下支えする知識の深さが、表現は抑えても文章を面白くするのだと実感する名著。なるべく歴史を脚色しないよう、当時の時代背景や参照した文献を丁寧に説明している。

Posted byブクログ

2018/11/19

こうもおおっぴらだと、もはや暗殺ではなく殺害だろうと言いたくなる。外国人に王妃を殺害されたらそりゃ怒るわ。彼の国の人たちが日本を嫌うのもうなずける。直接的な戦争にはならなかったけれど日露戦争はこの事件が影響しているのは明らかだろうね。読んで面白かったのだけれど人物名が分かりにくい...

こうもおおっぴらだと、もはや暗殺ではなく殺害だろうと言いたくなる。外国人に王妃を殺害されたらそりゃ怒るわ。彼の国の人たちが日本を嫌うのもうなずける。直接的な戦争にはならなかったけれど日露戦争はこの事件が影響しているのは明らかだろうね。読んで面白かったのだけれど人物名が分かりにくいのが難点。しょうがないけど。

Posted byブクログ

2015/06/21

情けない事に、この史実は知らなかった。 本書により、明治初期の日韓外交史の事をだいぶ教えられた。福沢諭吉の韓国での評価も知らなかった。 この事件から、100年以上経つのに基本的には日韓の関係は進展がないように思う。それを打破するには、筆者があとがきで書いているように、日本人が...

情けない事に、この史実は知らなかった。 本書により、明治初期の日韓外交史の事をだいぶ教えられた。福沢諭吉の韓国での評価も知らなかった。 この事件から、100年以上経つのに基本的には日韓の関係は進展がないように思う。それを打破するには、筆者があとがきで書いているように、日本人が真実の歴史を知る事が大事なのは間違いない。申し訳ないという気持ちを持つ事も大事かもしれない。ただ、韓国の方も被害者意識だけで今生きている日本人に接しても何も生み出さない。根深い感情が横たわっているのは否めないが、乗り越える努力はお互いに必要であろう。 世界の中において、東アジアの地域が今の中東情勢のようにならない事を強く望む。

Posted byブクログ

2014/12/24

今年行った景福宮で配られているパンフにこう書いている「日清戦争に勝利した日本は、本格的に朝鮮に対する内政干渉を始める。ここに親露政策を立てて、日本に正面から対立した明成皇后は乾清宮で残酷な死に至る。1895年8月20日、日本公使館の職員、日本軍などが乾清宮に乱入し、王妃を刺し殺し...

今年行った景福宮で配られているパンフにこう書いている「日清戦争に勝利した日本は、本格的に朝鮮に対する内政干渉を始める。ここに親露政策を立てて、日本に正面から対立した明成皇后は乾清宮で残酷な死に至る。1895年8月20日、日本公使館の職員、日本軍などが乾清宮に乱入し、王妃を刺し殺し、その死体は裏山で燃やすという蛮行を犯した。これが明成皇后殺害事件、いわゆる乙未事変だ」まさにそのとおりだと思います。 読了日:2010 04/09

Posted byブクログ

2013/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日清戦争前後の朝鮮に才色兼備、剛胆な凄い女性がいたということはご存じでしたか。国母と呼ばれる閔妃。最後の国王の母親ですが、無力な夫の国王に代わって実質的に権力を握り、国王の父親(つまり舅)と権力闘争を繰り返します。折しも清には西太后が君臨し、東洋は女性の時代だったようです。そして、この人が日本公使たちによって辱めを受けた後に殺されたのですが、それが何故、朝鮮人による犯行とされたか、究明していきます。日清戦争の前後の国際情勢、朝鮮国内情勢が楽しく読めます。今から100年前とそんなに遠い時代ではない(拉致事件は24年前)話しであり、朝鮮国王の母を惨殺した日本の非道さを韓国・朝鮮の人たちが許し難いのは当たり前だろうと思います。著者によれば、韓国では福沢諭吉が毛嫌いされているとか「脱亜論」が朝鮮蔑視に満ちた内容だからとのことで、諭吉の思想からは成る程と思わないでもありませんでした。

Posted byブクログ

2012/10/27

1895年、日本の公使と浪人たちが朝鮮の王宮に乱入、王妃を殺害した。まさに野蛮としか言いようのない暴挙。この史実を初めて知った時にはとても信じられず、なぜこんな重大事件を学校で学ぶ機会がなかったのかと愕然としたものだ。  本書は、日本人の多くが知らないこの王妃殺害事件に至る経緯を...

1895年、日本の公使と浪人たちが朝鮮の王宮に乱入、王妃を殺害した。まさに野蛮としか言いようのない暴挙。この史実を初めて知った時にはとても信じられず、なぜこんな重大事件を学校で学ぶ機会がなかったのかと愕然としたものだ。  本書は、日本人の多くが知らないこの王妃殺害事件に至る経緯を日韓の資料からまとめあげた力作である。大院君と熾烈な権力闘争をくりひろげた「悲劇の王妃」の生涯は実際、ドラマのように波乱万丈興だが、作家の筆は一貫して冷静だ。王妃を美化したり、個人間のドラマに矮小化することなく、朝鮮への利権をねらって相争う日中露、腐敗した朝鮮王宮内部で権力闘争にあけくれる個人の、マクロとミクロの権力関係を実に見事に浮き彫りにしている。  作家は、王妃殺害は日本政府が直接計画・関与したものではないとの結論をみちびいているが、日本の公人と民間人が一緒になって類のないテロリズムを引き起こした背景に、日本の官民に共有されていた驕りと朝鮮への侮蔑視、民衆の無知、そして「国益」のためならば何をしても許されるといった思考が存在していたことを、冷静にみつめている。  本書は刊行当時ベストセラーになったというが、今の日本に本書をきちんと受け止めることのできる余裕はあるだろうか。「愛国無罪」というテロリズムに通じる心情を育てるものの正体をみつめる必要は今こそある。

Posted byブクログ

2009/10/04

政治学の授業で紹介されて読んだのがきっかけで、読みました。 朝鮮王朝が日本軍によってどう扱われ、そしてどう消えていったのかが分かります。 とても読みやすくて良い本なんじゃないかしら。

Posted byブクログ