狂気のコードネーム「明後日」(下) の商品レビュー
(上巻から続く)28年前に父を殺した男に偶然パリのカフェで遭遇したアメリカ人医師は衝動的に男に襲いかかるが、空しく逃げられてしまうところから物語ははじまっている。10歳の時に見たあの男の顔だけは忘れることはできなかった。その日から彼は男を見つけるための探索を開始する。それは狂気の...
(上巻から続く)28年前に父を殺した男に偶然パリのカフェで遭遇したアメリカ人医師は衝動的に男に襲いかかるが、空しく逃げられてしまうところから物語ははじまっている。10歳の時に見たあの男の顔だけは忘れることはできなかった。その日から彼は男を見つけるための探索を開始する。それは狂気の大組織の虎の尾を踏むことでもあった。 一方、欧州各国で謎の死体遺棄事件が連続して起きていた。それらの死体にはある共通した特徴があった。首だけなのである。しかも切断面には、あきらかに外科的な手法が用いられていた。捜査にあたる老刑事マクヴェイは、外科医学に通暁する者を当たる中で、ある人物が浮上する。パリで暴行事件を起こした医師オズボーンである。 ベストセラーになるだけあって、すさまじく面白い。全編に狂気がただよっていて、息苦しさを覚えるほどだ。オズボーンの父の死、父を殺した男の正体、生首死体の謎が最後にきっちりとつながるのだが、とてつもない狂気の計画が背後にあることがあきらかになる。開いたら最後、1ページ目からもう本を手放すことはできなくなるだろう。
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