明治劇談 ランプの下にて の商品レビュー
劇作家としても活躍し…
劇作家としても活躍した綺堂によるエッセイや評論集です。
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小説ではなく、演劇に…
小説ではなく、演劇にまつわる評論やエッセイ集です。当時の演劇についてわかる貴重な一冊でした。
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岡本綺堂 「ランプの下にて」 著者の幼少期の思い出から 劇評家や劇作家として活動した明治時代の演劇エッセイ。新富座に始まり 菊五郎、団十郎、左団次の死で 終わる構成 歌舞伎のことはわからないが、歌舞伎座と新富座との新旧の争いや 役者の裏話が面白い。開場したばかりの歌舞伎座は...
岡本綺堂 「ランプの下にて」 著者の幼少期の思い出から 劇評家や劇作家として活動した明治時代の演劇エッセイ。新富座に始まり 菊五郎、団十郎、左団次の死で 終わる構成 歌舞伎のことはわからないが、歌舞伎座と新富座との新旧の争いや 役者の裏話が面白い。開場したばかりの歌舞伎座は洋館みたいでおしゃれ。新富座の芝居茶屋が並んで賑わっている 著者がまとめた明治演劇年表がよくできている。年表で見ると、劇場の多くが 火事により消失していることに気づく。明治時代も火事は多かったのか? 歌舞伎に女性が出ていないことは 不思議だったが、明治時代は男女合併興行があったり、女性だけの芝居があったとのこと。今もやればいいのに。
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『半七捕物帳』で有名な作家綺堂は幼少期から父親の縁で歌舞伎に親しみ、東京日日新聞では劇評を担当する記者であり、『修善寺』など今でも上演される作品を書いた劇作家でもあり…と多方面で活躍していた。 幼少期の思い出からは、明治前半の頃の歌舞伎の観劇の様子が手に取るように描かれ、今とは違...
『半七捕物帳』で有名な作家綺堂は幼少期から父親の縁で歌舞伎に親しみ、東京日日新聞では劇評を担当する記者であり、『修善寺』など今でも上演される作品を書いた劇作家でもあり…と多方面で活躍していた。 幼少期の思い出からは、明治前半の頃の歌舞伎の観劇の様子が手に取るように描かれ、今とは違う観劇作法(例えば、当時は大向こうはあっても拍手はしないものだった、等)や、芝居茶屋の制度がまだ残っていることに驚いたりと、小劇場の立ち位置等々、今では分かりにくい価値観を丁寧に描いてくれていてとても良い。 冒頭に、これは体系的な資料というより、私個人が体験した思い出話…といった事が書かれているが、体験した本人だからこそ、な資料となっていて素晴らしい。 明治の後半頃になると劇評記者の視点での思い出話が多くなり、團十郎・菊五郎・左団次が亡くなる辺りまでが描かれる分けですが、歌舞伎以外にも川上音二郎一座や自由劇場など、新派の話などもちょこっと出てきていて、この旧劇と新劇が両立していた当時、劇作家綺堂としていわゆるその業界のナカノヒトとしての感覚と、観客達の感覚が解説されていてとても参考になりました。 そして巻末の明治演劇年表もとても素晴らしいです。
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著者:岡本綺堂(1872-1939、港区、小説家) 解説:岡本経一(1909-2010、岡山県、編集者)
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途中までで終わってしまった。新富座の描写などがおもしろかった。「日本文壇史」のあとに読んだほうがよかったかもわからん。
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九代目団十郎や五代目菊五郎を実体験としてもっているんだよね。そのリアルさがおもしろい。研究書としてだけでなく、随筆としてもおもしろい一冊。
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