平壌の我慢強い庶民たち の商品レビュー
1984~85年の1年間、北朝鮮の金日成総合大学に留学したソ連出身の学者ランコフ教授による体験記。 同書(日本語版)の出版が1992年であり、また書かれている内容も80年代半ばごろの北朝鮮であるため、非常に古いと言えるが、当時の北朝鮮での外国人留学生の生活、そして外国人からみた...
1984~85年の1年間、北朝鮮の金日成総合大学に留学したソ連出身の学者ランコフ教授による体験記。 同書(日本語版)の出版が1992年であり、また書かれている内容も80年代半ばごろの北朝鮮であるため、非常に古いと言えるが、当時の北朝鮮での外国人留学生の生活、そして外国人からみた北朝鮮を知る上で面白い。北朝鮮の同盟国の留学生として、朝鮮語を解し、その上で街を比較的自由に見て回ることができたという点でもまれな例だといえるだろう。 幹部らが行くスーパーマーケットには日本製品が並び、幹部ら専用の配給所は外から中が見えないようにされている(配給される製品が庶民のそれとは大きく違うため)など、庶民と幹部らの生活の大きな差があることや、一方で庶民が幹部に反感を持ち嫌っていること、大学の寮で外国人とルームメイトになった北朝鮮人学生が、外国人にしか買えない製品を買ってきてもらうことで「商売」に励む話など、生々しい北朝鮮での生活を垣間見ることができる。
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