『残り3秒』 の商品レビュー
ミュンヘン五輪の男子バスケ決勝で、残り3秒からプレーがやり直しとされ、その結果アメリカが敗れた事件について書かれたもの。 著者も審判であることから、ルール解釈を詳しくしており、複数の当事者がそれぞれ過ちを犯した結果だと結論付ける(私はその中でもFIBA事務総長の介入が一番罪深いと...
ミュンヘン五輪の男子バスケ決勝で、残り3秒からプレーがやり直しとされ、その結果アメリカが敗れた事件について書かれたもの。 著者も審判であることから、ルール解釈を詳しくしており、複数の当事者がそれぞれ過ちを犯した結果だと結論付ける(私はその中でもFIBA事務総長の介入が一番罪深いと思う)。 主審の1人は世界のトップレフリーだったが、キャリアの頂点は東京五輪で、メキシコ、ミュンヘンと力が衰えたことが語られ、それも読み応えがある。 介入したFIBAの初代事務総長ウィリアム・ジョーンズも、その後任で審判アセッサー的な役割でも後継者であったボリスラヴ・スタンコビッチも、自身の名を冠した国際大会がある(後者は「あった」)ように、バスケットボールの普及に功績のある人物ではある。 巻末付録の五輪での男子バスケ全戦績は、当時としては類を見ない労作だったのだろう。
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