神々の山嶺(文庫版)(4) の商品レビュー
夢を持ち、その実現のために周到な準備を行う。得るもののためには犠牲が生まれることも厭わない覚悟。「凛」とさせられる。
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「それで、どうなんだあんたは。何故山に登る?」 「正直・・よくわからないな。あのマロリーは、そこに山があるからだとそう言ったらしいけどね。」 「少なくとも、俺は違うね。そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ。おれにはこれしかなかった・・これしかないから山をやっている...
「それで、どうなんだあんたは。何故山に登る?」 「正直・・よくわからないな。あのマロリーは、そこに山があるからだとそう言ったらしいけどね。」 「少なくとも、俺は違うね。そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ。おれにはこれしかなかった・・これしかないから山をやっているんだ。」(p.83) ここでテントを張ることができるのは唯一この岩の下だけだ。しかもここの狭いこの場所だけなんだ。他の場所にテントを張れば、ひと晩に何度か必ず落石が襲う。それが頭部にあたれば死ぬ。眠る時もその姿勢でいることだ。もしザックの上に上体を被せて寝込んでしまったら落石が直撃する。おれが山だったら、そういうミスを犯す人間の頭には遠慮なく石を落とす。(p.270)
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