カムイ伝(文庫版)(7) の商品レビュー
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雪解けの巻 金で、商人として幕藩制的権力に挑戦する夢屋。 一方、技術力の向上・非人と農民の連携強化・商品作物の大型展開で藩制権力に対抗しようとする正助。そして苔丸。 正助・苔丸の信頼関係が、非人・農民を結び付けているのが如実に現われる堤防衛譚である。 実際、カムイの出番が殆どないが、まぁ止むを得まい。下忍カムイ、あるいは抜忍カムイの立場では、藩政権力に対する対抗要素とはなり得ないからだ。 また、外伝はともかく、本作は日置藩政の大河物語だからとも言えそう。 一旦は藩中枢部の画策で信頼関係を失いかけた非人と百姓。彼らは堤の保全、そのために命を落とした少年の力で仲違いを解消するが、その帰結が、藩権力への糾弾シーン(コマ)だ。 「いいか、忘れるな。非人だの百姓だの身分をこしらえたのは奴らだ」と、藩権力の象徴たる城を指さし、しかも、誰の台詞か明快にしないままで提示される(正助の可能性は高いが)。 そのシーンには、余りにストレートなメッセージに身震いしてしまった。
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