ぼくとフリオと校庭で の商品レビュー
10作のうち2作を除いてすべて1980年代前半の作品。神話、伝承の世界から話を作っていた作者はそこからオリジナリティある世界を構築している。裏の世界、影の世界、夢の世界……現世とは違う、人が望む世界があり、それを描いているが結末は常にアイロニカルである。 秀逸なのは「蒼い群れ...
10作のうち2作を除いてすべて1980年代前半の作品。神話、伝承の世界から話を作っていた作者はそこからオリジナリティある世界を構築している。裏の世界、影の世界、夢の世界……現世とは違う、人が望む世界があり、それを描いているが結末は常にアイロニカルである。 秀逸なのは「蒼い群れ」である。臓器売買が当たり前のようになった近未来の話である。一人走りする医学への警鐘作とでもいったところだ。設定や言葉遣いにはオリジナリティを感じる。だが、ストーリーの行く末にややステレオタイプな感がある。しかし、1981年の作品である。悪くない。
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