アラベスク(文庫版)(Ⅰ) の商品レビュー
普段なじみのない、バレエの世界。舞台がロシアであるというのも珍しい。当時はソ連だけれど。よくよく読み進めていったら、私が生まれる前に書かれた話だった。
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「天人唐草」「ところてん」などなど、綺羅星のような情念にまつわる漫画をたくさん創ってくれた作家の、 しかしバレエ物語だけはどうしても手を出せずにいた。 特に名作誉れ高い「アラベスク」なのに、どうしても。 クラシックバレエに大きな興味がなかったせいもあるが、純粋に絵柄の問題で...
「天人唐草」「ところてん」などなど、綺羅星のような情念にまつわる漫画をたくさん創ってくれた作家の、 しかしバレエ物語だけはどうしても手を出せずにいた。 特に名作誉れ高い「アラベスク」なのに、どうしても。 クラシックバレエに大きな興味がなかったせいもあるが、純粋に絵柄の問題でもあった。 よい意味で独特な絵柄の作家なので、いかにも少女漫画然とした本作の絵柄に抵抗があったのだ。 以上、言い訳。 ひたすら後悔するばかりである。 第1部は王道サクセスストーリー。 ノンナの役柄は「追う者」である。 第2部、ノンナは「追われる者」になる。 ここからが抜群に面白い。 田舎娘のヴェータに追われ、嫉妬に狂う。 さらにミロノフをライバル視するエーディク、このふたりが狂言回しになる。 エーディクは……いい奴だなぁ……。 (性格としても造詣としても、ミロノフより断然エーディクが好き。 というより、ミロノフは、辛気臭さを突き抜けてギャグにすら見える。) さらに極めつけは、カリンという女性。 これほどの物を創れる作家は、多くはいない。 誰かが誰かを見つめている視線を誰かが追っている、というような構図が素晴らしい。 そして、カーテンのそよぐ……。 あぁ。 私の辞書の「アラベスク」という項目に、またも美しい物語が加わった。
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これが広く読まれたということは、バレエの基礎知識を持っている層は厚いということなのだな。心理描写がよくできているし、バレエを知らない人にも楽しめると思う。 「コール・ド・バレエ」のことを、「コールド」とか「コール・ド」と言われると大変違和感があるが、それは日本のバレエ界の伝統なの...
これが広く読まれたということは、バレエの基礎知識を持っている層は厚いということなのだな。心理描写がよくできているし、バレエを知らない人にも楽しめると思う。 「コール・ド・バレエ」のことを、「コールド」とか「コール・ド」と言われると大変違和感があるが、それは日本のバレエ界の伝統なのだろうか? cold とか called とか思っている?? 仏語の綴りまで知らなくてよいが、せめて corps の意味ぐらい教えたら、どうだろう?
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バレリーナの社会的地位が高かった旧ソ連でのお話。 主人公のノンナは、その才能を見出され、世界的プリマへの道を駆け昇っていきます。 かなり精神的に弱い部分があったけど、いろんな出来事からそれを克服。 困難を乗り越えるたびに成長していく姿からは学ぶものが多かったです。 まわりが超一流...
バレリーナの社会的地位が高かった旧ソ連でのお話。 主人公のノンナは、その才能を見出され、世界的プリマへの道を駆け昇っていきます。 かなり精神的に弱い部分があったけど、いろんな出来事からそれを克服。 困難を乗り越えるたびに成長していく姿からは学ぶものが多かったです。 まわりが超一流の世界に入ると、苦労もあるけど成長もするんだね。 逃げないことが大事なんだなぁ…。
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「妖精王」から、ちょっと山岸涼子づいていて、「アラベスク」です。 実は、もっと硬い絵だったと思ったのですが、読んでみるとそうでもないですね。 まあ、昔の少女マンガらしく、すごいアゴの人とか出てくるし、みんな派手なんですけどね。 今、「ダ・ヴィンチ」で連載している「舞姫 テレプ...
「妖精王」から、ちょっと山岸涼子づいていて、「アラベスク」です。 実は、もっと硬い絵だったと思ったのですが、読んでみるとそうでもないですね。 まあ、昔の少女マンガらしく、すごいアゴの人とか出てくるし、みんな派手なんですけどね。 今、「ダ・ヴィンチ」で連載している「舞姫 テレプシコーラ」とは、全然違うものだと思っていたのですが、けっこう、物語の基本的なところは変わっていないので、ビックリ。 例えば、お母さんが、バレエの先生とか。お姉ちゃんがいて、そっちの方が才能があると思われているとか、 もちろん、新作の「舞姫 テレプシコーラ」の方が、心理の深いところがかかれていますし、テーマ的にも、だいぶん違っているのですが……。 でも、バレエマンガの基本みたいなのは、この頃から、しっかりとあったんだなぁと思いました。
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言わずと知れたバレエまんが 文庫本全4冊・1 やっぱり昔のマンガって 今読んでもイイですよねぇ・・(^O^)/
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小学生の頃から成人した今に至るまで ずっと読み続けてきた一冊。 バレリーナを夢見て練習に明け暮れていた幼いころの私には この漫画の中で描かれる世界はまさに夢のまた夢。 ステップのひとつにしろ衣装の作りにしろ 全てがとても細かくそして忠実に描かれて バレエの世界をリア...
小学生の頃から成人した今に至るまで ずっと読み続けてきた一冊。 バレリーナを夢見て練習に明け暮れていた幼いころの私には この漫画の中で描かれる世界はまさに夢のまた夢。 ステップのひとつにしろ衣装の作りにしろ 全てがとても細かくそして忠実に描かれて バレエの世界をリアルに表現している。 しかしそれだけでなくストーリーの素晴らしさがまた魅力。 読み終えたときに、まるで長編映画でも見ていたかのような なんともいえない不思議な感覚になる。 ここまで完成度の高いバレエ漫画はなかなか、ない。 とにかく内容を覚えてしまう程、表紙がボロボロになる程繰り返し 何度読み返しても胸にグッとくる作品である。
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大好きなバレエ漫画、不動の一位。 私が唯一あこがれる人種バレリーナ。生ける妖精たち! 物語のディープさ、この豊潤さ、山岸先生を尊敬してやみませぬ!才能漲る作品だと思います!
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MFからカラー完全再現の完全版が出ており、入手性はそちらが上みたいですね。そっちも読んでみたい…… 今から実に40年も前のバレエ漫画。舞台はまだ「ソ連」だった頃のロシア。 主人公・ノンナは、優れた素質を持ちながら、長身にコンプレックスを持ち、また優秀な姉といつも比較されて萎縮し、...
MFからカラー完全再現の完全版が出ており、入手性はそちらが上みたいですね。そっちも読んでみたい…… 今から実に40年も前のバレエ漫画。舞台はまだ「ソ連」だった頃のロシア。 主人公・ノンナは、優れた素質を持ちながら、長身にコンプレックスを持ち、また優秀な姉といつも比較されて萎縮し、内向的な性格も手伝って、バレエ学校でもさして出来の良くない生徒だった。 しかし若きソビエトバレエ界のスター・ミロノフ先生に見出され、特訓の中で成長し、才能を開花させてプリマへの道を歩んでいく……という物語。 絵柄・演出は流石に古い(お目目キラキラな絵柄は、そうしないと売れないという編集の指示だったそうですね)のですが、ダイナミックなストーリー展開に一気に引きこまれます。特に舞踏のシーンではデッサンが正確で、絵の古さをあまり感じさせません。 主人公と脇の心理描写の丁寧なのはさすが山岸凉子といったところです。 特に、一度はバレエから逃避しようとするノンナに道を示す、盛りを過ぎた元プリマ・オリガ先生のエピソードは秀逸で、じわっと来ます。 亡命エピソードも含め、当時のソ連の状況は、若い方には伝わり辛いかもしれませんが、比較的丁寧に描いてあるので、逆に資料的価値が出ているかも。 今は長身プリマが主流ですし、ノンナの168cmという身長も突出したものではないのですが、その辺の時代の違いも含めて楽しんだり、勉強になります。 ちなみに、「パッとしない主人公が、厳しい指導者に見出され、特訓の果てに成長」という序盤のコンセプトに「エースをねらえ!」を想起する方も多いと思いますが、発表時期的にはこちらの方が少し先だったりします。
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文庫版全4巻、再読。 ノンナの泣き虫っぷりとミロノフ先生の厳しくも大きな愛情が身に沁みた。初めて読んだのは小学生だったから「画が綺麗」「ミロノフ先生かっこいい」という感想だったのが自分の年齢と共に読み方も変わってきた。それって名作の成せる力だと思う。「死」「性別を超えた愛憎」など...
文庫版全4巻、再読。 ノンナの泣き虫っぷりとミロノフ先生の厳しくも大きな愛情が身に沁みた。初めて読んだのは小学生だったから「画が綺麗」「ミロノフ先生かっこいい」という感想だったのが自分の年齢と共に読み方も変わってきた。それって名作の成せる力だと思う。「死」「性別を超えた愛憎」など山岸作品のエッセンスが凝縮されていることを改めて実感。 実家には単行本があるが、新しく出た愛蔵版もやはり欲しいなあ。
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