【廉価版】鬼平犯科帳 本所、桜屋敷(1) の商品レビュー
時代もの、歴史小説の類は普段一切興味がない。 司馬遼太郎も吉川英治も池波正太郎も原作を手に取った試しはないが、 小学校に置いてあった日本の歴史からさいとうたかを吉田学校(原作戸川猪佐武)まで歴史マンガはなかなかどうして好きなのだ。 天明7年、鬼平こと長谷川平蔵が江戸の火付盗賊改...
時代もの、歴史小説の類は普段一切興味がない。 司馬遼太郎も吉川英治も池波正太郎も原作を手に取った試しはないが、 小学校に置いてあった日本の歴史からさいとうたかを吉田学校(原作戸川猪佐武)まで歴史マンガはなかなかどうして好きなのだ。 天明7年、鬼平こと長谷川平蔵が江戸の火付盗賊改方に就任することから物語が始まる(現在もコミック乱にて連載中)。 ストーリーは、凶悪化する江戸の賊どもを撲滅するという明解なものだが、そこに男と女、恨みつらみ、家族のいさかい、裏切りといった情念のドラマが混じり合う。 回をかさねるごとに明らかになる過去と積み上げられていく人間関係、齢を重ねるにつれ親として男としての人情や勤め人としての社会性が微妙に変化していくさまも面白い。 過去に影狩りや藤枝梅安など時代ものもあったが、えてして罪を裁く側の視点に要求されるヒューマニスティックな側面は一層凄味のある内容である。
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