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丸尾地獄Ⅱ(Ⅱ) の商品レビュー

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2022/02/12

まさに「地獄」と形容するに相応しい、度し難き顛末を堪能できる『無抵抗都市』に始まり、『血と薔薇』『笛吸童子』『きん玉のにぎり方』『東京物語』『腐ッタ夜』『天然の美』『犬神博士』『耳ナシ芳一』と続く、丸尾先生のエッセンスを感じるに感じる短編集です(『犬神博士』は既刊の単行本とは別の...

まさに「地獄」と形容するに相応しい、度し難き顛末を堪能できる『無抵抗都市』に始まり、『血と薔薇』『笛吸童子』『きん玉のにぎり方』『東京物語』『腐ッタ夜』『天然の美』『犬神博士』『耳ナシ芳一』と続く、丸尾先生のエッセンスを感じるに感じる短編集です(『犬神博士』は既刊の単行本とは別の話ですが、長編を編むつもりが挫折したやつらしいので、今日の『犬神博士』の前身的作品と言えるでしょう)。 一通り読んでみて、「平常運転だなぁ」と思えるThe・丸尾末広作品もありつつ、先に述べた『犬神博士』や『きん玉のにぎり方』などの、ちょっぴり新鮮な作品もあって、充実の1冊でした! 個人的お気に入りは、『少女椿』を彷彿とさせる救えない『無抵抗都市』。姉妹の耽美的な愛情『血と薔薇』。丸尾版・保健体育『きん玉のにぎり方』。あからさまなサディズムとラストの恍惚『腐ッタ夜』ですね。

Posted byブクログ