秋霖の忌(文庫版) の商品レビュー
お盆の頃になると読みたくなる波津彬子。 波津作品はコメディタッチの時とシリアスタッチの時があり、これはシリアス系。 特に表題作は、幽霊より生きた女の情念の方がずっと恐いと思わせます。 会話より心中語(モノローグ)の多い、落ちついた男と女。季節感ある花木。美麗な調度品や着物の文様。...
お盆の頃になると読みたくなる波津彬子。 波津作品はコメディタッチの時とシリアスタッチの時があり、これはシリアス系。 特に表題作は、幽霊より生きた女の情念の方がずっと恐いと思わせます。 会話より心中語(モノローグ)の多い、落ちついた男と女。季節感ある花木。美麗な調度品や着物の文様。波津テイストはここでも健在でしたが、体(特に肩幅)に対して顔が大きいのが気になるときがあります。同じバランスでもコメディのときは気にならないんですが・・・・。
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『雨柳堂夢咄』で有名な、波津彬子の短編集。 “事故で亡くなった兄・靫彦の墓参りに訪れた史郎は、兄の婚約者だった海堂青奈と出会う。高圧的な父親と、それに従順な兄に嫌悪感を抱き家を出た史郎は、両家の政略的な縁談に反感を持っていた。しかし兄の死の原因を仄めかす青奈に、史郎は引き込...
『雨柳堂夢咄』で有名な、波津彬子の短編集。 “事故で亡くなった兄・靫彦の墓参りに訪れた史郎は、兄の婚約者だった海堂青奈と出会う。高圧的な父親と、それに従順な兄に嫌悪感を抱き家を出た史郎は、両家の政略的な縁談に反感を持っていた。しかし兄の死の原因を仄めかす青奈に、史郎は引き込まれてゆき―。嫋やかで深い女性の情念を描く愛と幻想のサスペンスロマン集。”―裏表紙より。 ◇秋霖の忌 ◇なつぎぬ薫りて ◇歌姫の猫 ◇ゆきのとむらい―六花抄― ◇ねむれる花 ◇花の庭にて サスペンス色が強い作品群。コミック版「世にも奇妙な物語」みたいな感じかな。でも絵柄のせいか、浪漫もあって妖艶な雰囲気ただよってます。 秋霖…秋の長雨。陰鬱な、女の情念を感じる部分もあって、ちょっと大人向けかな。
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