青い空を、白い雲がかけていった の商品レビュー
センスのある漫画家を一人だけ挙げよ、といわれたら私は即「あすなひろし」と答える。 汚れちまった悲しみに・・・、中也を連想させるような漫画、それは後にも先にもあすなひろしを置いて誰もいない。 そのあすなひろしの代表作。 晩年は仕事もなく(創作意欲はあったらしい)、肉体労働に従事した...
センスのある漫画家を一人だけ挙げよ、といわれたら私は即「あすなひろし」と答える。 汚れちまった悲しみに・・・、中也を連想させるような漫画、それは後にも先にもあすなひろしを置いて誰もいない。 そのあすなひろしの代表作。 晩年は仕事もなく(創作意欲はあったらしい)、肉体労働に従事した・・・、日本の漫画界の貧しさを顕著に表したエピソードではないでしょうか。
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あすなひろし氏は既に肺癌で帰幽されている。これは「新現実コミック」で「みなもと太郎」氏の談話で知った。あすな氏の生原稿が如何に凄いかというと一切彼はスクリーントーンを使わない!書き文字も含め全て「カケアミ処理」だけで書いている。もうそれだけで感動する。また別な話だが「ケサランパサ...
あすなひろし氏は既に肺癌で帰幽されている。これは「新現実コミック」で「みなもと太郎」氏の談話で知った。あすな氏の生原稿が如何に凄いかというと一切彼はスクリーントーンを使わない!書き文字も含め全て「カケアミ処理」だけで書いている。もうそれだけで感動する。また別な話だが「ケサランパサラン」というタイトルはあすな氏が先に使っておられたが現在他人がタイトルで使うのは問題ないのか?このあすな氏の事を詳しく書いた「新現実Vol6」も古書でしか入手できない。なんせ一巻目が非業の作家「かがみあきら特集」という素晴らしさで入手した人間は手放さないから古書店で見かけたら即刻買い占めるべきだ。出版は角川書店である。
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完全版だと思って買ったら未収録のはなしが結構あるようでげんなり。自分のせいだけれども。 ギャグのノリが時代を感じさせるけれども、そこはかとなくせつないのは好きだな。これを現代風にして青年誌に持ってくるとシギサワカヤさんのような感じになるのかなーと思った。
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あの名作が、完全版で文庫化。 あすなひろし原画展を見た漫画家さんたちがTwitterで大絶賛しているのを見て再び読みたくなったのでした。切なさと笑いが同居した唯一無二の作風。
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繊細で柔和な物語と線 1976年頃の連載だから、九歳であすなひろしに出会ったことになる。ブラックジャック、がきデカ、750ライダーのどれかが目的だったはずの週間チャンピオンの中で、この作品との付き合いが最も長くなる、とは思っても見なかった。描かれるのは、中学生の日常...
繊細で柔和な物語と線 1976年頃の連載だから、九歳であすなひろしに出会ったことになる。ブラックジャック、がきデカ、750ライダーのどれかが目的だったはずの週間チャンピオンの中で、この作品との付き合いが最も長くなる、とは思っても見なかった。描かれるのは、中学生の日常。描線は少女漫画一歩手前の細さと柔らかさ。分かり易いヒーローもなく、普通のお話だ。 学校の図書館にあった江戸川乱歩、シャーロック・ホームズ、ドリトル先生などはあらかた読み、当時流行りだした片岡義男や赤川次郎を本屋で立ち読みし始めたのはこの頃だ。それらと同様、明らかに背伸びして、面白がったはずだ。 ハイジャンプ魔球、多角形コーナリングは絵空事、ギャグやナンセンスも直ぐ飽きるとなれば、何かしら精神的な事物に心惹かれるところが小学五年生の私にもあった、ということか。 精神的な成長に寄与したかどうかは、ともかく、漫画の世界が経済的にも、表現的にも拡大の一途を遂げる中、文学的ともいえる漫画が当時売り上げ部数一位に迫っていた少年漫画に登場したことは興味深い。荒唐無稽でない普通の暮らしの喜怒哀楽を、漫画で描くということが、少年チャンピオンを読む小学五年生にも十分通じた、ということは確かだった。 この作品、登場する時代背景はともかく、現在の中学生に読ませても、主人公達の穏やかな反抗期とも言える精神世界は、十二分に伝わるのではないだろうか。いまや、携帯電話やインターネットで込み入った中学生事情になっているかの向きもあるが、人の成長が半世紀で大きく変わるわけもなく、戸惑いやいらだちの表現が変わっただけ、素朴だが本質をついたこの物語は、時代を越えて通じて通用するのでは、期待できる。 子供に読ませたい。 2004年、再読。
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風邪を引いた小学一年生の私に父が買って来たのは少年チャンピオンだった。 そのせいで小学6年になるまで私は毎号チャンピオンを買い続けた。当時は「マカロニほうれん荘」とか「750ライダー」とか「がきデカ」とか「ブラックジャック」とか「てっちゃん」などが連載されていて、チャンピオン...
風邪を引いた小学一年生の私に父が買って来たのは少年チャンピオンだった。 そのせいで小学6年になるまで私は毎号チャンピオンを買い続けた。当時は「マカロニほうれん荘」とか「750ライダー」とか「がきデカ」とか「ブラックジャック」とか「てっちゃん」などが連載されていて、チャンピオンは最盛期だった。 この作品はそのころ掲載されていたもの。秋田書店の単行本も買ったが紛失したようだ。ずっと心に残っていて、いつかまたちゃんと読みたい作品だった。書店で見かけて即購入。そして作者が亡くなっていたことも知る。たぶん、よほどのことがないかぎり手放さない作品。永遠に心に残る作品というのは確かにあるのだ。
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