てんじんさん(1) の商品レビュー
著者は木村直巳氏(1962ー)、原案協力は西園寺英氏です。 明治期を舞台に活躍する鍼灸医師を描いた物語で、「週刊マンガアクション」に2002年に連載されたものです。 時は明治中期、舞台は東京です。 幕府に代わって維新政府が政権を執ることとなり、それと共に医療は漢方医から西洋医に...
著者は木村直巳氏(1962ー)、原案協力は西園寺英氏です。 明治期を舞台に活躍する鍼灸医師を描いた物語で、「週刊マンガアクション」に2002年に連載されたものです。 時は明治中期、舞台は東京です。 幕府に代わって維新政府が政権を執ることとなり、それと共に医療は漢方医から西洋医に変わりました。 主人公の「てんじん(竹松)」は、かつてドイツに留学して西洋医学を学んだエリートでした。 しかし現在は鍼灸医師として市井の人を助ける赤ひげ先生として活躍、この謎めいた背景を抱えて物語は展開します。 ストーリーは一話完結で、疾病を抱えた人々をてんじんが鍼灸で治療することで解決に導く、という流れです。 気管支炎を風池で治し、 胃の痛みを足三里でおさめ、 群発性頭痛を頭維や下関、 ベル麻痺に翳風を使う、など。 経絡やツボ、解剖生理についてウンチクが語られるなど、丁寧な作り込みを感じさせました。 動乱期の明治は現代にも通じるものがあり、伝統医学というユニークな切り口で語られる物語には引き込まれました。 初出は2003年とかなり前のものですが、古さを感じさない物語でした。
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