隣りの女 の商品レビュー
唯一無比の画風とストーリーは変わらず。 つげさんが描く、昭和の貧乏くささに惹かれるのは、登場人物がみんな人間臭いからだと思う。むきだしだし不器用だし。 今は人も街もみななそこそこ清潔に小綺麗にかっこよくはなっているが、デオドラントな感じで汗臭さとか人間味が薄くなっているような気...
唯一無比の画風とストーリーは変わらず。 つげさんが描く、昭和の貧乏くささに惹かれるのは、登場人物がみんな人間臭いからだと思う。むきだしだし不器用だし。 今は人も街もみななそこそこ清潔に小綺麗にかっこよくはなっているが、デオドラントな感じで汗臭さとか人間味が薄くなっているような気がする。 現実生活でそんな環境に囲まれているから、つげ作品に惹かれるのだろう。 自分の子供時代がまさにこういう感じだったから、当時大人だった世代はなおさら郷愁をそそられると思う。 その郷愁が、恥ずかしさや嫌悪感、憎しみを伴っているにしても、あの時代へはもう戻れない、という一点でやはり惹かれると思う。 つげ作品、麻薬だ。
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1980年代前半に発表された短編マンガ集。 あとがきによると、 体調不良の合間を縫って描かれたものらしいが、 街の片隅でひっそり暮らす人々の淡々とした日常に 時折さざ波が立つかのような小品には、 しんみりした味わいがあって、好感が持てる。
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