坂田靖子セレクション(文庫版)(4) の商品レビュー
坂田靖子さんのちょっとふしぎなあと味の短編集。 「アジア変幻記」の2。 ・「新月宵」神と悪魔の同居している世界。 ・「石の谷の姫君」異界譚。聊斎志異みたいだが、すっと去る。 ・「水の色の空」小悪党ぽい少年はふと出会う。 ・「象牙飾りの窓」象を多く殺さねば作れない窓に躊躇す...
坂田靖子さんのちょっとふしぎなあと味の短編集。 「アジア変幻記」の2。 ・「新月宵」神と悪魔の同居している世界。 ・「石の谷の姫君」異界譚。聊斎志異みたいだが、すっと去る。 ・「水の色の空」小悪党ぽい少年はふと出会う。 ・「象牙飾りの窓」象を多く殺さねば作れない窓に躊躇する職人。 ・「桃の村」箱庭の中にいるのか外にいるのか。 ・「塔にふる雪」僧院にあらわれた赤ん坊になつかれた僧。 解説がすばらしい。 なるほどなるほど、的確だ。 「人間の脳のある部分は、神を探すために空けられているのではないかと思った。」 そしてときおり坂田靖子さんの世界で神を見出す。 「坂田靖子の世界の物語はこれにて一件落着というよりは、まだ先に話は続くんだけど今日はこれでお終いとでもいった風に終わる。余韻とも違う。物語の対象からすうーっと遠ざかっていく感じだ。・・・人間の目の中にあった神の視線がす、す、すーと天にもどっていくカンジ・・・もどってそれは天空の月になる。吹きあげる雪になる。人と天の視座をこの作者は往き来するのだ。読むこちらもその往来の自在さにふわりと浮いて快感である。」 「このやわらかい絵の線が読み手を守ってくれるのだ。ひょろりとふわりとあいまいに愛を感じる坂田靖子の世界。」 解説を誰が書いてるかはあまり気にしたことがないのだだけど思わず「誰やろう?」と署名を見たら萩尾望都さん。 さすが。 (2011年05月01日読了)
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しみじみと可笑しく、じんわりとやさしい。時々皮肉っぽく、最後は広がる空のように。この頃の坂田さんの短編が一番好きかも。
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