つげ義春全集 紅い花(5) の商品レビュー
主人公が各地の宿に泊まる、旅ものを中心に収録。たいしたヤマもないし、オチもないような、私小説のような話で、漫画ってこういうのもありなんだ と今更ながら衝撃を受けた。井伏鱒二の短編小説を思い出す。「やなぎ屋主人」が好き、徹底した孤独と幻想に流されない寂しさが……z
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「紅い花」、「長八の宿」、「ほんやら洞のべんさん」、「もっきり屋の少女」、「やなぎ屋主人」、「リアリズムの宿」他を収録。5巻からは、私のイメージするつげ義春の作品のみで占められるようになった感じだ。「紅い花」のパロディー作品をあちこちで見た記憶がある。「長八の宿」のジッさんの「デ...
「紅い花」、「長八の宿」、「ほんやら洞のべんさん」、「もっきり屋の少女」、「やなぎ屋主人」、「リアリズムの宿」他を収録。5巻からは、私のイメージするつげ義春の作品のみで占められるようになった感じだ。「紅い花」のパロディー作品をあちこちで見た記憶がある。「長八の宿」のジッさんの「デーンさ」にしびれ、もっきり屋のチヨジと「紅い花」のキクチサヨコは同一人物?、「リアリズムの宿」の「サンビスしますから」に爆笑。あらためて作者のすごさに恐れ入った一冊だった。
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実はつげ義春を読んだことがなかったので、図書館で借りてみた。 「紅い花」以外は主に旅先での出来事が描かれている。旅行記は作者の体験のようだが実はフィクションとのこと。ただ、描かれた地名と風景は実在するそうだ。 名作との誉れ高い「紅い花」は叙情的でよかったのだけど、それ以外はどうも・・・。昭和40年代くらいの、メディアが全て白黒だった時代の独特のアングラな雰囲気がかなり生々しく伝わってくる。これが実感として理解できるのは私の年代くらいまでじゃないかな。 私は当時の田舎の人々のあっけらかんとした性的モラルの欠如がどうしても生理的に受け付けないので(例えば夜這いの風習とか)、「紅い花」以外はちょっと苦手な世界だった。
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