ザ・クレーター(文庫版)(再販)(2) の商品レビュー
「墜落機」が一番好きでした。救いはない話だけど、せめてもの抵抗という心情が見えてような気がして。 「鈴が鳴った」「海の姉弟」と救いのない話は多かったように思う読後です。「生けにえ」はどうなんだろう。あの幸せの瞬間があったことを、どう捉えるかなのか。どちらにしろ、残酷な話ではあるよ...
「墜落機」が一番好きでした。救いはない話だけど、せめてもの抵抗という心情が見えてような気がして。 「鈴が鳴った」「海の姉弟」と救いのない話は多かったように思う読後です。「生けにえ」はどうなんだろう。あの幸せの瞬間があったことを、どう捉えるかなのか。どちらにしろ、残酷な話ではあるよなぁ。残された方も。 「ザ・クレーター」2冊は古本で入手したのですが、カバーと中身が入れ替わっているというおかしなことになってまして。カバーは2巻だけど中身は1巻でした。カバーが1巻の方は、中身は2巻。 すごく違和感ありましたね、当たり前なのですが。 まあ、中身が違うものではなかったので、それが救いです。こういうのって、乱丁・落丁のどちらになるのだろうか。広い意味では乱丁なのか? 製本工程でのミスではないので、当てはまらないというのが正解ですかね。 とんだトラップもあったものです。やはり、新刊で買うのが一番。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初出1968~71年。少年誌掲載本書も凄いラインナップ。「ザ・クレーター1」がサイキック・ホラー色の強い作品を集積する一方、2は、フェアリー・ファンタジーあり、SFあり、リアルありと縦横無尽のモチーフを展開しつつ、その内容は現実世界の救いようのなさを抉る。戦争(核による世界終末戦争)、沖縄問題(旧日本軍、占領施政下の米軍、ヤマトンチュー、ヤマトンチューに加担するウチナンチューの悪行までも)、家長支配の残存する人間社会、国家の犠牲になる個人等。とにかく凄い…。著者の凄味は短編集でこそ感得できるのがよく判る。
Posted by
人間の心をテーマにした物語は30億かあるいはその10倍もあるはずである。このシリーズは、そのうちのほんのいくつかをえらんで、みなさんに紹介するのだ…。 少年誌(週間少年チャンピオン)連載ながら、一編一編の深さが秀逸の短編シリーズ。最終的には悲劇的な結末が多く、オクチンの活躍も...
人間の心をテーマにした物語は30億かあるいはその10倍もあるはずである。このシリーズは、そのうちのほんのいくつかをえらんで、みなさんに紹介するのだ…。 少年誌(週間少年チャンピオン)連載ながら、一編一編の深さが秀逸の短編シリーズ。最終的には悲劇的な結末が多く、オクチンの活躍も相まってかなり読み応えがあります。「名作は色褪せない」の言説通り、発表から40年近くたった今でも読者を引き込む力は計り知れません。個人的には、「クレーターの男」や「溶けた男」、「八角形の館」といった作品が特に印象深いです。
Posted by
火の鳥もそうだけど、手塚治虫のマンガに出てくる主人公は悲運に見舞われ、初めて生命の大切さに気付いたり、大事なものに気付いたりする。愚かなり人間。だけど、暖かい眼差しで人類の平和を願っている、そんな心が感じられる。
Posted by
- 1