BLACK JACK(文庫版)(10) の商品レビュー
灰とダイヤモンド、これただの横領だよ。 どっちがやろうとどんな経緯があろうと正当性はかけらもない。 これが美談になってしまうのは恐ろしい世界だわ。 他の話でもこの傾向が甚だ強い。 時代背景もあるんだろうが、「貧乏人は何をやっても許される」という倫理観をすり込んだ罪はかなりあると思...
灰とダイヤモンド、これただの横領だよ。 どっちがやろうとどんな経緯があろうと正当性はかけらもない。 これが美談になってしまうのは恐ろしい世界だわ。 他の話でもこの傾向が甚だ強い。 時代背景もあるんだろうが、「貧乏人は何をやっても許される」という倫理観をすり込んだ罪はかなりあると思う。
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ブラックジャック先生の父親と義母側のエピソードを多数収録。 お父さんも極悪人ってわけじゃなくて…ただ人としての欲がある人なんだよなあ…。義母さんも…義妹さんも…。 その人間同士の業のぶつかり合いみてえなものを情け容赦なくぶちまけてくるんだから手塚治虫はすごい。
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【再読】 「戦争は人間のひとりやふたり殺しても罰せられん。だが・・・・・・戦争が終わるととたんに殺人は犯罪になってしまう。こんな不都合なことがあるのか⁉」 今巻でやはり印象に残ったのは『えらばれたマスク』や『骨肉』などの、ブラックジャックの実の父親との話でしょう。また、それに関...
【再読】 「戦争は人間のひとりやふたり殺しても罰せられん。だが・・・・・・戦争が終わるととたんに殺人は犯罪になってしまう。こんな不都合なことがあるのか⁉」 今巻でやはり印象に残ったのは『えらばれたマスク』や『骨肉』などの、ブラックジャックの実の父親との話でしょう。また、それに関連した、様々な家族が出てきたのも印象的です。家族を殺されたという憎悪だけで生きる女性(『復しゅうこそわが命』)。娘の自慢の父親を演じる男(『カプセルをはく男』)。家族の復讐を果たそうと何度もターゲットを殺す医者(『あつい夜』)。人質に泣き叫びながら戻って来いという誘拐犯(『身の代金』)。 それぞれの家族の形は様々で、抱いているものも全く違う。そんな人間の複雑な感情を、マンガという媒体で表現している手塚先生は、本当に神様みたいですね。 (特に好きなお話3つ) 『カプセルをはく男』 『骨肉』 『あつい夜』
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- ネタバレ
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『えらばれたマスク』でついに父親登場。かと思ったら『骨肉』で死んだ。良さそうな人が悪い人で、悪そうな人が良い人でっていう好きなパターンだったけど、小蓮の最期はやるせないし、母親はゴミクズすぎる。読んでて悔しい。『ピノコ還る!』は胸糞で嫌だったけど、全体的にはこれまで読んだ10巻の中でも特にBJの魅力が凝縮された1冊だと思う。
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天国のような秘密の庭園 わかってくれ愛とは残酷なものだよ あの時一言でもお母さんを愛していると言えば…別の顔に変えるつもりだったのです 復讐こそ我が命 相手は原爆というあまりに大きな敵過ぎた カプセルが不水溶性なので マカオってとこは裏通りも賑やかなんだ 死んだばかりの死体なら組...
天国のような秘密の庭園 わかってくれ愛とは残酷なものだよ あの時一言でもお母さんを愛していると言えば…別の顔に変えるつもりだったのです 復讐こそ我が命 相手は原爆というあまりに大きな敵過ぎた カプセルが不水溶性なので マカオってとこは裏通りも賑やかなんだ 死んだばかりの死体なら組織は新鮮です モルグ=死体置場 ベトナム人の医師が善良な市民を射殺して逃亡中 フォルクマン拘縮だ! 左腕の銃撃 良い時期に、良い位置で出会えたという意味で、僕ほど「ブラック・ジャック」の幸福な読者はいないと信じている。 建前はどうであれ、本音のところでは、この国では漫画は文化に入れられていない、言わば無免許の文化のような気がする。 手塚治虫とブラック・ジャックは、実は一枚のカードの裏と表ではなかっただろうか? 大森一樹
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手塚治虫って家族の愛憎になにかあるのだろうか。この手の話になると、一筋縄ではいかない、愛と憎しみが捻じれたような話の展開が上手くなる。
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この世代にとっては原爆というのは想像以上の棘なんでしょう、週刊マンガ雑誌の連載内容ではないわね、今だったら。
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お気に入りは「選ばれたマスク」。 黒男にとって、世界一の美女はお母さんだったか。 それにしても、父は薄情。 ブラック・ジャックも義妹を見殺しだし同じようなものか。
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BJは主人公でありながら各話の主役は患者でもあるので、BJ自身は狂言回し的なところがある。そんな中でBJの父子の確執と移植による和解?は異色作と言える。
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「骨肉」の最期で、BJは彼女の事を義理の妹だと知ってたんだろうか。「身の代金」も凄く好きな話の一つ。誘拐犯に懐いてしまう明くん、自分に害を加える大人かどうかを判断する子供の本能からくる純粋さと言うものには心打たれる。子供のピュアさと、大人にも残っているピュアさの両方が描いてある。...
「骨肉」の最期で、BJは彼女の事を義理の妹だと知ってたんだろうか。「身の代金」も凄く好きな話の一つ。誘拐犯に懐いてしまう明くん、自分に害を加える大人かどうかを判断する子供の本能からくる純粋さと言うものには心打たれる。子供のピュアさと、大人にも残っているピュアさの両方が描いてある。行いが結果として法に触れるとしても、心根が腐ってるかどうかは別なんだな、と思えてくる。最近はどちらもに開きがない事件ばかりな気がするから気が荒む。漫画を含めフィクションを読むのは、現実の汚さの中にもこういう純粋さがある筈だ、と自分の心を浄化したくなるからかもしれない。
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