夢幻紳士 怪奇篇(1) の商品レビュー
この作品は怪奇譚である。が、人を怖がらせることこそを目的とするいわゆるホラーまんがとは、少々趣味が異なっている。 舞台は昭和初期。青年探偵夢幻魔実也は女たらしの美青年、 しかし搦めとろうとする女たちの腕を軽やかにすり抜けるのは、いかにも彼が「ひとでなし」…比喩ではなくどうやら半...
この作品は怪奇譚である。が、人を怖がらせることこそを目的とするいわゆるホラーまんがとは、少々趣味が異なっている。 舞台は昭和初期。青年探偵夢幻魔実也は女たらしの美青年、 しかし搦めとろうとする女たちの腕を軽やかにすり抜けるのは、いかにも彼が「ひとでなし」…比喩ではなくどうやら半妖とでもいうべき存在であることを示すかのようである。 その妖しの業を操り、彼は愚かしく醜く傲慢な人間の欲望を悪夢に踊らせる一方で、様々な怪奇の奥底に沈む哀しみを、ふとすくいとり、夜の闇の中で昇華させる。 そのとき、夢幻魔実也のかぶる山高帽は、あたかも黒き天使の光輪であるかのようにみえるのだ。 生涯で一番好きなマンガである。
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少年漫画版の夢幻君も好きだけど、世界観と雰囲気は断然アダルト版の夢幻君です!この頃はまだ絵柄の線がしっかりしてますね~ 幻想怪奇小説を漫画にした感じで戦前の日本が舞台です。
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