陽だまりの樹(小学館文庫版)(7) の商品レビュー
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大獄の章 「その前夜」 雨の中、呼び出されて出てゆく万次郎。 磯貝という者に湯に誘われいただく事に。 そこで捕まる万次郎。 西郷と橋本左内の名で呼び出されたのが偽手紙。 万次郎に改革案を聞き出すが、万次郎は知らない。 助け舟は右腕を失くした平助が入り込む。 平助は万次郎を助ける。 火消しがやって来て、逃げおおせる万次郎達。 磯貝の裏で手を引く長野主勝。 万次郎母を鉄の道場において、平助と一緒にいる。 岡っ引きがやって来て火事の真相を調べる。 「投獄」 南町奉行所吉田は万次郎とひっ捕らえよと。 岡っ引きの伝吉、平助に話を聞く。 万次郎に言われ姿を消す平助。 飲み屋で岡っ引きと話す万次郎。 揃って焼けた磯貝の家へ行くと保谷が切られている。 一人で万次郎は焼け跡で探索中。 地下道を辿ると神田川に繋がっていた。 真っ暗な中何かを斬る万次郎。 蝋燭を点けると何故か町人が二人倒れていて、いいタイミングで同心が万次郎を捕まえる。 牢の中の万次郎。 「死出の旅」 与力、吉岡左ェ門のお白州で府中藩の家老佐伯が「知らぬ」と。 裏では吉岡と長野主勝が組んでいる。 牢の中で医者に手当される万次郎。手紙でやり取りをするように勧められる。 万次郎以外に入れられたのは梅田雲浜。 井伊と長野主勝が九月二十二日、二十三日に捕縛をしたと言う。 その中に橋本左内がいた。 捕まった連中は勤皇攘夷派。そこに入れられてる万次郎。 牢を出たいと医師に頼むと「コロリになれ」と。 無事(?)コロリになり牢から出る万次郎。 棺桶に入れられて運ばれた先で見たのは良庵の元。 牢医師の堂玄は良仙と中が良い。 運ばれた先は鉄さんの家で、母親と再会。 保谷様、目明かしの伝吉が主になって助かると知る。 万次郎の家は召し上げられている…。 伝吉は色んな人に聞き、金塊が運び込まれてるという。 そして、私腹を肥やしているのは井伊。 保谷様は水戸藩安島様に書類を渡すよう万次郎に託す。 「水戸路をゆく」 無事水戸に着く万次郎。 万次郎、夜の宿で物騒な話を聞いてしまう。 井伊を倒す等の言葉が。 居合わせたのは水戸藩士高橋多一郎。 水戸藩にいる阿島帯刀に書類を渡す。 高橋と一緒に井伊を切り、ハリスとヒュースケンを斬ると言い出す。 反対の万次郎は席をあとにして、平助と会う。 平助に誘われ山の中へ。そして猟師として手ほどきを受ける。 足を挫きじっとしているだけの万次郎のもとに高橋がやってくる。 安島様が捕縛されたと。 そして、飯田が一人で江戸に向かい大老井伊に発砲するも、小刀に当たりテロ失敗に終わる。 「炎上」 十一月十五日夜明け、出火。 良庵、おつねの子供を生むのに帝王切開。 良仙は種痘所が家事に飲み込まれるのを聞き呆然となる。 が、手術は始まっている。 どうしても続けられない良仙は良庵に頼む。 取り出した子は産声を上げない。息を吹き込み、呼吸をさせ、産声を上げた。名前は照(てらす)。 安政六年六月二日、横浜出島が出来る。 お紺もそんな国際色豊かな横浜に店を出している。 出資したのは多摩屋弥左衛門。 彼に頼み込んで種痘所再建に尽力してもらう算段。 が、斬られてあっけなく・・・ 斬った相手は丑久保だった。 次の日、良庵の元へ福沢諭吉が訪ねてくる。 岡本周吉、原田雷蔵も一緒だと言う。 福沢はこれからエゲレス語を習うという。 水道橋の守山多吉郎に会うことに誘われ行く事に。 守山は会う気はない。 二日目に音を上げる良庵、続ける福沢。 頭の中が混乱。 まだまだ整理が足りない。 知らない事を調べながら、一つ一つ頭の中で繋ぐ。 まだ線に成り切ってない・・・ ただ。 ものすごくいい勉強になってることは確か。 ここで誰と誰が出てくるのか。 誰が誰と繋がるのか。 面白いです。
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1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終...
1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。
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