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陽だまりの樹(小学館文庫版)(6) の商品レビュー

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2021/10/03
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虎狼痢の章 「西郷登場」   良庵ボロボロになって大阪から帰郷。洪庵の書を携えて。   どうしてもヒュースケンに会って訳してもらいたいと万次郎に頼み込む。   家定の病は脚気ではない。塩を大量に摂る事が大事。   が、元迫は投獄中で会えない・・・   ハリスとヒュースケンは乗馬がしたいと田安御門を開放。   周りには偉人を見に来る人達が大勢居た。   その中に、刺客が紛れ込み、ハリスの馬に吹き矢を。   万次郎、見当をつけ犯人を見つけ出すも反撃に遭うが腕を切り落とし役人に引き渡す。   それを見たいたのが西郷吉之助。   どうしても一献やりたいと申し出る。   東湖の取り持つ縁だった。    「巻き添え」   江戸に入れたくない幕府と対峙するハリス。   ヒュースケンをヒュスと呼ぶ様になる万次郎。   日米条約調印を先延ばしし、老中堀田は正月京へ。   朝廷の鶴の一声が欲しくて。   元麻布善福寺をアメリカの使節に引き渡さないように万次郎に頼む。   そのためには娘おせきを嫁にやっても良いという。   取引の道具として使おうとした住職に反発する万次郎。   帰り道で出会ったのは勝海舟。   堀田に通じているの気をつけろと忠告を受ける。   万次郎が警護役を降ろされて、藩屋敷へ行くと「井伊掃部守」が大老に就任したことを告げられる。   大老井伊は、政敵を端から追い落とす。   井伊の側近長野主勝を京へ行かせ、跡継ぎを喜福へと推し進める。    「やけ酒万次郎」   家定の跡継ぎ、心決めかねている。   一応喜福が跡継ぎと…   万次郎はイライラ。やけ酒をあおっていると剣仲間の鉄さんが諌める。   万次郎は世界の脅威について心配している。   が、鉄さんは清河八郎が清河塾を開いて浪士隊を結成。   色んな事を払拭するべく道場でやり合うが、鉄を叩きのめしてしまう。   良庵に見てもらい、事なきを得る。 「東京大学事始め」   安政5年5月7日家定は危篤状態に。   伊東玄朴に使者がやって来て奥医者に加えたいと。   良庵は伊東玄朴に種痘所の開設の書を持たせた。   部屋に通され、暫く待たされて、奥医師には無しとの話。   早とちりだと言われて、伊東玄朴、面目が立たないとの事で、種痘所の開設を勝ち取った。   松枝町の下屋敷にて開設した種痘所。   83人集まって交代で勤務。   その後、名前は医学書と名を変えて、東京大学医学部の始まりである。 「コロリ参上」   お紺が品川で店を出した。   同じ時期、アメリカのミシシッピ号が長崎に到着。   実はその船はコレラを持っていた。   なんだかんだ言って、上陸したアメリカ人。コレラ持ち。   長崎では7千人が亡くなったという情報も。   博多から北九州東部へ飛び火。   お紺と良庵は二人で掛けをする。   江戸までコレラが来るかどうかと。   大阪を経て、江戸までやってくるコレラ。   お紺はコレラにかかるが、良庵に助けられる。   緒方洪庵の本にコレラの対処法が。   水を飲ませ、塩をタップリと。   席を外してお紺のもとに戻ると山伏がお紺を連れて行く。   それと同時期に良庵の母もコロナに侵されてた。   家族に看取られ、息を引き取る良庵の母。   二万八千四二一人が亡くなったと死者の数。   広重も、多紀もその一人。   再び伊東玄朴の家に急便を飛ばす。   登城した次の日、家定は亡くなる・・・。 結構色んな場所で、色んな人が絡んでくるので難し。 けれど、深く理解出来るのがメリット。

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2013/08/28

やるせない巻。命を救った傍から自決する武士を目の前にして、無念さを噛みしめる良庵。説得役に任命された万二郎に降りかかる悲劇。

Posted byブクログ

2009/10/04

1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終...

1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。

Posted byブクログ