陽だまりの樹(小学館文庫版)(2) の商品レビュー
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鳴動の章 『夜の客人』 良庵から江戸の実家に便りあり。 良仙の元へ急患。牛久保夫婦で、患者は奥方さと。 さとは膣から子宮までひどい手術を受けていた。 挙句の果ては今後子を設けることは不可能… そんな手術をした蘭学医に恨みを持つ牛久保。 良仙と一悶着寸前に伊武谷が駆けつけて一段落。 府中藩屋敷に往診。佐伯様の手当に。 その後、種痘所の許しをもらいに行ったが、out。 『嵐の前』 西洋のモノを入れてはならぬと思う人あり。 牛久保は誘われて伊武谷を斬るという。 楠音次郎、良仙宅を確認し、おせきを襲う。 が、伊武谷が阻止。 襲撃の日は十月二日… 『天地鳴動』 伊武谷と山岡鉄太郎が揃って藤田東湖の元へ訪れる。 良仙の家に集まる蘭学医達。 井戸の水が突然枯れ、晴天が大雨になったり。 四ツ(午後10時)の刻大地震発生。 江戸の東のかたを中心にマグニチュード6,9の直下型。 藤田東湖はこの時、母を庇って亡くなる。桜と供に。 牛久保の妻は亡くなる。おせきに会いに伊武谷は走る。 途中、大勢を芝浜へ逃しながら。 おせきは無事だった。 そして、伊武谷のプロポーズに条件付きでOK。 「刀で人を切らない」の条件は、その夜伊武谷が破る。 『老中・阿部』 十月三日、良仙次々に来る患者を診る。 伊武谷はおせきとの約束を破ってしまったことを考える。 良庵に譲ることを良仙に告げる。 二ヶ月後、鉄太郎の元へ剣道の稽古へ。 心によぎるおせきの言葉。 そこへ現れたのは伊武谷の父で、「登城せよ」と。 藩のご家老(佐伯)と一緒に登城。老中首座阿部様と顔を合わせる。 明治維新直前のゴタゴタ期、どう思うか聞かれ気に入られる。 座を控えた時、良仙暗殺の話を耳にして狼藉となる。 『抜擢』 狼藉を働き、牢の中でトイレに閉じ込められてしまう(立て付けが悪い) 体当りして外に出た所で取り敢えず「謹慎」と。 3月、謹慎を解かれ馬を駆って連れて行かれた場所は。 老中堀田様が待っていて聞かれる。 伊武谷万次郎、陸軍で指揮を取らないかと…。 安政江戸地震という名が付いている。 今の暦だと11月11日。 事細かに時代背景が書かれているので、ある意味勉強になりますw さて、これからどうなるのか、楽しみです♪
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地震によって岐路に立たされる。相変わらず女にだらしのない良庵。一方の万二郎はヒュースケンとの奇妙な友情で結ばれる。
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正論が言えない、賄賂が横行。これじゃ江戸幕府も潰れます。 万二郎の生きざまは古風ながら魅力的です。
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地震のときの伊武谷万二郎のかっこいいこと。男気あふれるとはこういうことだ。不器用でも一本気な人は、こういう体当たりの美しさを見せてくれて、いい。 手塚良庵もやっときちんと適塾の塾生として本腰入れて頑張りだして、…と思ったらお品さんにフラれちゃって、あそこは笑えたな。まさかここでも...
地震のときの伊武谷万二郎のかっこいいこと。男気あふれるとはこういうことだ。不器用でも一本気な人は、こういう体当たりの美しさを見せてくれて、いい。 手塚良庵もやっときちんと適塾の塾生として本腰入れて頑張りだして、…と思ったらお品さんにフラれちゃって、あそこは笑えたな。まさかここでも万二郎にやられるとは。笑 緒方洪庵の種痘への執念に感動した。それまでの慣習では考えられないような、異物のような価値観を他人に納得させるというのは本当に大変な作業だと思う。蘭学医って本当に大変だったろうなあ…。それでも、絶対に正しいと信じて、これがいつか遍く使用されていくものになると信じて貫いた。かっこいいなぁ。
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1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終...
1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。 終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。
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剣客に新たな役割〜良庵の恋敵・伊武谷万次郎は安政の大地震で思わぬ活躍をし,人助けで名を揚げる。幕府陸軍の士官として抜擢されそうだ。実際にはアメリカ領事・ハリスの護衛であった。〜医者は感謝されることも多いが恨みを買うことも多いだろう。勤務医は激務だからなあ・・・てな事を映画『感染』...
剣客に新たな役割〜良庵の恋敵・伊武谷万次郎は安政の大地震で思わぬ活躍をし,人助けで名を揚げる。幕府陸軍の士官として抜擢されそうだ。実際にはアメリカ領事・ハリスの護衛であった。〜医者は感謝されることも多いが恨みを買うことも多いだろう。勤務医は激務だからなあ・・・てな事を映画『感染』を見て思った。
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