最終フェイス(文庫版) の商品レビュー

小林よしのり(著者)

2017/07/27

大女優・一条麗子の娘の一条かれんは、母親とは似ても似つかない強烈なルックスの持ち主です。そんな彼女が、芸能人が多く通う折腰学園に転校し、クラスメイトの榎本健一を巻き込んで大騒動を引き起こす物語です。

かれんこそ新しい時代の美を体現した「最終フェイス」だと確信する母親の教えを信じて疑わない彼女は、同じ学校に通う立花美香や美女丸蝶子といった美少女たちを相手にしてもいささかも自信を揺らぐことはありません。ところが、そんな彼女の強烈な存在感に目を付けた芸能プロダクションの間芝典明という男が、彼女をＣＭのオーディションに引っ張り出したところから、日本中を席巻する彼女の活躍が始まります。

ＣＭオーディションではアイドルの浅川樹里に勝利し、ブスの圧倒的な支持を受けてモアイ顔の権戯州恥美々（ごんざれす・ちみみ）とともに「リーサル・レディ」として歌手デビュー、「自殺キャンペーン」でワイドショーの話題をかっさらい、最後は全身整形のサイボーグ美人女優の鳴田美鈴（なりた・みすず）と時代劇で競演します。

おそらく著者にしかできない強烈なギャグ・センスに終始圧倒されてしまいました。個人的にはむしろ嫌悪感を催すストーリーと絵柄なのですが、それでも著者の才能は認めざるを得ません。