ドラえもん ロボット編(文庫版) の商品レビュー
ドラえもんの出す道具には、ロボットが混じっていることもある。ドラえもん自体がロボットであるにも関わらず、ロボットがロボットを道具として持ち出すという状態。ひとならば奴隷関係だったり、きれいに言えば契約関係と同じ状態である。 しかし、このドラえもんとロボットの関係は、決して同列では...
ドラえもんの出す道具には、ロボットが混じっていることもある。ドラえもん自体がロボットであるにも関わらず、ロボットがロボットを道具として持ち出すという状態。ひとならば奴隷関係だったり、きれいに言えば契約関係と同じ状態である。 しかし、このドラえもんとロボットの関係は、決して同列ではない。ドラえもんは道具としてのロボットとは一線を画している。それは、道具としてのロボットはドラえもん程に融通が利かず、どこまでも命令に文字通りに忠実なところである。そのため、それを使うキャラクターによって話が動いたり、落ちがついたりできるのである。 そうに考えると、ドラえもんというロボットはやはり非常に高性能と言わざるを得ない。高性能に「何もできない」。単にのび太のオーダーに合わせて道具を出すでもない、かといって驚くような望みや空想が叶わないわけでもない。そして、ドラえもんがしているのは、道具を出すだけなのである。それだけなのに、それを真似できる道具としてのロボットはいないのである。 ロボットに取って代わられるかもしれない世界というのはよくSFで扱われる題材であるが、多分それは、もはやロボットではなく、そこに人間性を見出しているから恐ろしいのである。道具としてのロボットには厳密な意味で支配ということはできないはずだからである。犬に取って代わられる恐ろしさも、ロボットというよりかは、のび太の人間性を獲得したからではないか。 ドラえもん計画なるものがどうやらあるようだが、おそらくドラえもんを道具としてのロボットとして考えるフレームから脱せない限り、再現はできないだろう。ドラえもんはただのお世話ロボットでは決してないのだ。本当のお世話ロボットが作りたいなら、ドラえもんではなく、ドラミちゃんを目指すべきである。一生懸命ドラえもんを創ろうとしている人間の方が初めからドラえもんだったのだ。
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僕が初めて買った漫画はてんとう虫コミックスの『ドラえもん』18巻と31巻と34巻でした。以後、漫画、アニメ、映画からいかに影響を受けまた学んだものか…。勇気や友情をはじめ、人生に大切なものはほとんどすべて『ドラえもん』から学んだと言って過言ではありません。 しずかちゃんのお父...
僕が初めて買った漫画はてんとう虫コミックスの『ドラえもん』18巻と31巻と34巻でした。以後、漫画、アニメ、映画からいかに影響を受けまた学んだものか…。勇気や友情をはじめ、人生に大切なものはほとんどすべて『ドラえもん』から学んだと言って過言ではありません。 しずかちゃんのお父さんが語る「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人間〜」は、確かに僕の理想の人間像を形成しています。全45巻(そしてプラス)に永遠の名作とそのもとが溢れていますね。
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