アドルフに告ぐ(2) の商品レビュー
日本が泥沼の中国侵攻にはまり、ナチスドイツがついにポーランドに軍事侵攻する最中、主人公の記者が、弟から託されたヒットラーの秘密にまつわる文書を巡って、特高刑事、ゲシュタポから追われ、神戸のドヤ街から若狭湾の離島にまでわたる命がけの攻防を描く。本題の2人のアドルフ少年の話はほとんど...
日本が泥沼の中国侵攻にはまり、ナチスドイツがついにポーランドに軍事侵攻する最中、主人公の記者が、弟から託されたヒットラーの秘密にまつわる文書を巡って、特高刑事、ゲシュタポから追われ、神戸のドヤ街から若狭湾の離島にまでわたる命がけの攻防を描く。本題の2人のアドルフ少年の話はほとんど出てこず、もっぱら文書の争奪戦を描く娯楽編の趣き。主人公記者が追跡から逃れ、アドルフ少年の一人の方の母でドイツ領事館の役人の未亡人、弟の恩師でアカの疑いをかけられている小学校教師、彼の人柄を信頼し助けになってくれる人情派の刑事の娘、若狭の敦賀で戦死した夫をいつまでも待っている飲み屋の女将など、逃亡先で魅力的な女性たちに助けられるシークエンスは、若い人は知らないだろうけど、著者や私のような老人ならお馴染みのアメリカのTV番組「逃亡者」を連想させる。本筋からやや脱線している章かも知れないが主人公と敦賀のひなびた浜辺の飲み屋の女将とのエピソードは脱線も許したくなるほど味わい深く、最終列車を待つ雪の舞い散る敦賀駅での別れの場面はこの「アドルフに告ぐ」全編を通しても屈指の名場面と思う。そこにタクシー運転手役で手塚マンガではお馴染みの著者によく似たキャラがちゃっかり美味しい役を演じているのはご愛敬。手塚キャラといえば、ハムエッグとアセチレン・ランプの対決場面が描かれるファンサもあり。
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女性におモテになるのですね。 先生だけはちょっと違うけれど。 その分体は傷だらけ…、よくもまあ耐え抜いている。 総統は人心掌握本当に上手なのね。
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誰が死んで生きているのか解らなくなる2巻。落ち着く暇がなく追われる峠。ゴルゴのように女性とイイ仲になる訳でもなく追われる。どうなる?!
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第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。...
第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。文庫本に収録されている、関川夏央による解説が秀逸。 今年2008年は手塚治虫生誕70周年。『アドルフに告ぐ』に限らず、改めて各作品が再評価されることでしょう。
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