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夢みる惑星(文庫版)(3) の商品レビュー

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2021/12/15
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3/3 小学校高学年のころは集英社コバルト文庫、角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫のレーベル読者だった。 特に前田珠子が好きで、「破妖の剣」シリーズや「聖石の使徒」シリーズに入れ上げていたなぁ……と遠い眼をして、検索してみたら、 なんとゆかりのある佐賀の嬉野出身で、何度も行った鹿島高校卒業と知って、驚いた。 今は東京から嬉野に戻っているんだとか……遠い眼ゆえ、いきなり脱線した。 また脱線を敢えて続けるなら、中学の頃は「少年ガンガン」の「STAR GAZER〜星に願いを〜」で知った堤抄子の、過去作に遡って「聖戦記エルナサーガ」も好きになった。 「月刊Gファンタジー」という雑誌はド田舎では扱われていなかったので知らなかった上、新書版の漫画本しか知らなかった身としては、漫画なのに大判単行本(紙質もいい!)で高価だ(数百円)ということに、恐れ戦きながら買いそろえていったものだ。 インターネットなどなかった頃。 と、自分の備忘録も兼ねて書いたのは、ハイ・ファンタジーには疎いということを前置きしておきたいからだ。 この作者の名前を知ったのは、萩尾望都「一度きりの大泉の話」で。 萩尾、竹宮両人のアシスタントを経てデビューした、ポスト24年組と呼ばれる世代なんだとか。 大泉本141ページで、 「佐藤史生さん、池田いくみさんは(略)実入りのいいバイトだというので、石綿の服の縫製する仕事を見つけ、働いていましたが、ある日いくみさんが体調を崩し(略)脳血栓だった」。 または、佐藤史生が城章子に「ケーコタンがモーサマに嫉妬して大泉を解散させたんだ、ケーコタンに同調してモーサマを苦しめるんじゃない」と注意した、といった記述。 つまりは冷戦状態のどちらにも出入りしていた人で、「大泉解散は、佐藤史生と城章子のせい」という噂もあったらしく……。 竹宮派・萩尾派といった見方も無益だろうけれど、おそらくやや竹宮派と思われる来歴の作者なのだが、 ……これが作品を読んでみたら、キャラクターが弾け・飛んで・跳ね回っていくかのような竹宮的作風よりは、ファンタジーとSFを架橋するような理知的な作風(そして白っぽい空間認識)という点で、やや萩尾寄りなんじゃないかなと感じた。 そして世界の諸相が明らかになる、ラストもラストの印象は、堤抄子「エルナサーガ」の「ギムレー→世界」という視界が晴れるようなインパクトと同質で……。 もはや読者の個人史から勝手に想像しているに過ぎないが、堤抄子←前田珠子←佐藤史生←竹宮・萩尾←手塚やら同年代の作家やらトールキンやら……と。 漫画自体の感想を離れてしまったが、つわものどもが夢の跡と思えば、一作をあれこれ言うのも虚しい。 2010年没、と坂田靖子がホームーページで告知。57歳没。 往時の関係者がポツポツ亡くなる中で、自ら証言者になり得ない人の、証言や流言やが各方面から漏れ聞こえ、本当なんだか、修正されるのを待っているんだか。 作品だけが真実なのだが、それだけではいられない潮流に作品すら巻き込まれる人々……。

Posted byブクログ

2009/10/04

原始の地球なのか?な舞台。宗教と科学と王朝というよくあるSF設定かもしれないけど、やっぱり世界観がいい。

Posted byブクログ