ライジング！(ワイド版)(1) の商品レビュー

藤田和子(著者)

2022/08/15

2022.8.12 市立図書館
高校生ぐらいのときに妹に借りて読んだなあと思い出して借りてみた。何も覚えてないと思ってたけど読み始めてみると、そうだ、そうそうと記憶がよみがえる。
初出は週刊少女コミック（1981年4月から3年半の連載）。宝塚歌劇団をモデルとした架空の少女歌劇団「宮苑歌劇団」、およびその付属音楽学校を舞台に、アメリカ育ちで宮苑について何も知らなかった仁科祐紀が音楽学校に入学してスターへと成長していく姿を描いた作品。この巻は入学試験から翌春に次の新入生を迎えたところまで。経験や能力はまだまだながら一部の関係者の目には原石らしきヒロインが、舞台上でライトと喝采を浴びる歓びを知り、努力をまなび、周りの人から影響を受けたり影響を与えたりピンチをチャンスに変えて育っていく様子にひきつけられる。

意気投合した小説家と漫画家が3年越しの夢を叶えて発表した作品とのこと。もともと宝塚ファンだった氷室冴子はこの作品の取材のために宝塚市に転居して、ファンクラブにも潜入し若手スターの追っかけをしながら原稿を書いただけあって、音楽学校や歌劇団の描写はリアル。