フラグメンツ(3) の商品レビュー
どこにも行けない。ここから逃れることなどできない。夢は悪夢へと変わり、わたしたちはただどうしようもないまま、やりきれない想いを抱えてここにいるだけ。
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〜これは夢か、現実か・・・われ欲情す、ゆえに我あり〜 山本直樹の漫画は結構読んでいて・・・とか言うと、変な人って思われそうだ。 エロ漫画なことに異論はない。わけても上質で、極めてエロいエロ漫画だったりする。 だいたい、初期の作品はコミカルでありえない設定ながらも現実的。 「フ...
〜これは夢か、現実か・・・われ欲情す、ゆえに我あり〜 山本直樹の漫画は結構読んでいて・・・とか言うと、変な人って思われそうだ。 エロ漫画なことに異論はない。わけても上質で、極めてエロいエロ漫画だったりする。 だいたい、初期の作品はコミカルでありえない設定ながらも現実的。 「フラグメンツ」では現実と仮想世界の狭間に潜り込み、今描いている「堀田」に至っては、もうシュールでぐちゃぐちゃな世界になっている。 どれが一番好き?というと、フラグメンツの浮遊感が好き。まだ読んでいない作品もあるけど、本屋さんに売ってないんだもの。人間だもの。 あれ?これって夢じゃないの、と、思うことがある。 デジャヴ。予知夢。目の前の世界が演劇みたい。あれ、私って存在してるんだっけ。世界って何だっけ。 フラグメンツには、そういう「現実の破綻」が何度も起こる。 そして、そういう世界のなかで、いつも性交だけが、確かな実感を持って描かれる。 山本さんの描く性交のシーンは、なんだか静か。えぐい表現なんだけど、不思議と静か。 それは、白昼夢のようなファンタジーの中の出来事だからなんだろうか。 山本さんの漫画では、性交の熱よりも、終わって熱が冷めたあとの、空虚で行き場のない気持ちの方が心に残る。 車に乗って、どこともつかない街へ出たり。 手をつないだまま、遠くを見つめたり。 わけもないのに涙が出たり。 まるで、性交した後には、そうするしかないみたいに、描かれる。 だから、切ない。 山本さんの漫画を、エロい漫画というよりも、まず「切ない漫画」として読んでいる。 おぼつかない足で、地面をうまくとらえられない。 そういう私たちが、どうしても、どうしようもなく性交に惹かれる。惹かれ合う。 肌をくっつけて、自分の存在を、相手の存在を、確かめる。 そうして、快楽と高揚ののちに、また「確信のない世界」がやって来る・・・
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首絞められてイク主婦に、たははな感じ。 てへ。 この主婦の見てくれが超好み。 こんなオンナになりたいぜ。 ほんとこの人の作品って、最後の〆が非常によい。 あたしの好きな感じ。
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第1章「この町にはあまり行くところが無い」、第2章「小指の思い出」、第3章「ASPHYXIA」。後半の別章「みはり塔」「奥さん、いいじゃないですか」「ぽつん」の6つの短編を収録。 なんといっても「みはり塔」が良い。これだよ、この読後感を待ってたんだよ。”夢だね。今よりもっとマシな...
第1章「この町にはあまり行くところが無い」、第2章「小指の思い出」、第3章「ASPHYXIA」。後半の別章「みはり塔」「奥さん、いいじゃないですか」「ぽつん」の6つの短編を収録。 なんといっても「みはり塔」が良い。これだよ、この読後感を待ってたんだよ。”夢だね。今よりもっとマシな人生があるかもしれないっていう悪夢。”
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読み終わった後に作品の世界に浸れないのがこの人の作品。だからこそ読んでしまう。 女子高生を描くなら、『センチメントの○○』より断然こっちだと思う。
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