フラグメンツ(2) の商品レビュー
その続編的な短篇集。にしても、僕の中でよく覚えているなぁって思った。そのくらい、以前に読んだものをちゃんと僕の頭の中には刻み込まれている。一方で、読んだことないであろう作品なのに、あれ、読んだこと、あるかもっていう感じがする作品も。つまりは、山本直樹はある意味で反復の作家なのかも...
その続編的な短篇集。にしても、僕の中でよく覚えているなぁって思った。そのくらい、以前に読んだものをちゃんと僕の頭の中には刻み込まれている。一方で、読んだことないであろう作品なのに、あれ、読んだこと、あるかもっていう感じがする作品も。つまりは、山本直樹はある意味で反復の作家なのかもしれない。(12/2/18)
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山本直樹の作品には毒がある。 それも人間なら誰しもが秘めている毒なのではないか。 世界の終わり———もしそんな日が本当に来たら。 作者は人間の深層心理を探っている。作中の登場人物が非道な行動に取り付かれる精神異常者に見えるだろうか。そうだとは断定できないのではないか。 どうせ世界...
山本直樹の作品には毒がある。 それも人間なら誰しもが秘めている毒なのではないか。 世界の終わり———もしそんな日が本当に来たら。 作者は人間の深層心理を探っている。作中の登場人物が非道な行動に取り付かれる精神異常者に見えるだろうか。そうだとは断定できないのではないか。 どうせ世界が終わるならと考えたとき、心の奥深くにある狂気はいつ誰の身に目覚めても不思議ではないのかもしれない。 自分にも心当たりがある……そう気づいてしまったとき、驚愕する。
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山本直樹のマンガに出てくる人物たちは いつも閉塞された空間の中でセックスしている。 家、車の中、学校、漁師小屋、田舎という閉じられた世界・・・。 彼らはどこにも行くことができず、逃げることもできない。 淫靡で悲哀に満ちたセックスを繰り返しては別れていく。 ただただそれだけだ。 ...
山本直樹のマンガに出てくる人物たちは いつも閉塞された空間の中でセックスしている。 家、車の中、学校、漁師小屋、田舎という閉じられた世界・・・。 彼らはどこにも行くことができず、逃げることもできない。 淫靡で悲哀に満ちたセックスを繰り返しては別れていく。 ただただそれだけだ。 それは少し情けなくもあり、やるせなくもある。 けれど、結局のところ世界とはそういうものなのかもしれない。 「この先、死ぬまでほかの誰かと、こんなふうに過ごし、 こんなふうな気分になることは、もう二度とはないのだろう。 そんなことを考えると、なんだか悲しくなってしまって、気持ち良いほど涙が出た。」 (「肉彦くんとせんせい」P71) やりきれない感情が痛々しくて 手に取るようにわかる自分が哀しくて、 でもわたしはその世界に触れたくてまた彼の作品に手を伸ばす。 その繰り返し。
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肉彦くんと先生が、山本氏との最初の出会いだったと気づいたのは最近。 恋の虚しさみたいなものが詰まってました。
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SMのとか、肉彦くんとせんせい、とか、すごくいいなー好きだなーと思う短編が多かった。上手さは相変わらず
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かなり傑作短編集。 つーか、山本さんのマンガって人の名前のネーミングがすごいよね。 この作品集だと「肉彦」とか「微藤」とか。 絶対いなさそうだけど、妙に笑える。 しかも、肉彦くん小学生だし。 なんか妄想大暴走の短編集。ですな。
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前半は「雪子さん」シリーズの外伝になるのだろうか。第1章:町長がとある温泉町の宿で同宿した奇妙な三人組「アナログ温泉」、第2章:町長の一人息子の小学生と担任の女性教師の倒錯した性関係を描いた、おそらくこの巻の白眉「肉彦くんとせんせい」、第3章:過激派のアジトに拉致された雪子「隣町...
前半は「雪子さん」シリーズの外伝になるのだろうか。第1章:町長がとある温泉町の宿で同宿した奇妙な三人組「アナログ温泉」、第2章:町長の一人息子の小学生と担任の女性教師の倒錯した性関係を描いた、おそらくこの巻の白眉「肉彦くんとせんせい」、第3章:過激派のアジトに拉致された雪子「隣町から来たスパイ」。 後半は、夢と現実の境界が失われた、現在の山本直樹の作風の最初の完成形である「世界最後の日々(5編)」
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