変奏曲(文庫版)(2) の商品レビュー
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ハンネス・ヴォルフガング・リヒター(ウォルフ)21歳で死去。黒髪。 エドアルド・ソルティ(エドナン)元革命闘士。金髪。 ホルバート・メチェック(ボブ)評論家。男色家。 アンリエット・リヒター(アネット)ウォルフの妹。 ・ アレン・フレデリク・リヒター ウォルフの子。 ニーノ・アレクシス・ソルティ エドナンの子。 ウォルフの死の周囲の物語群。 とにかく語り口が独特だと感じた。 ひとつの出来事を別視点から何度か描く話はあるが、だいたい視点人物が異なる。 本作もその要素はあるにはある。 が、普通の話法ならその視点人物にカメラが寄り内面の声を聞くものだけれど、本作では容易に別の人物にカメラが移り変わる。 結果、同じ出来事を別角度から描こうとしているはずなのに、その角度が小さすぎて、同じ話を繰り返されている感じがする。 そしてひどいことにはまったく同じ絵もある! これじゃただ美少年の死を無遠慮にネブネブ舐め回し続けているだけじゃないか。 しかも息子世代まで出してきて、似た話を拡げようとするとことで、未完。 うへー、と辟易したりもしたが、なんだか貶しきれない味わいもあるのはある。 そもそもタイトルの「変奏曲」がそういう語り口を示唆しているんだろうけれど。 ちょうど10月7日、竹宮惠子がブログで増山法恵の死去(6月)を発表したタイミング。
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1に同じくの感想。 話が繋がっているのか、そんなことも意味は無いのか、とにかく当方には及ばない世界でございました。
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竹宮惠子の初期傑作。原作者である増山のりえの美意識と自意識がこれでもかと開示され、読んでいて若干恥ずかしくなりつつも圧倒される。
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竹宮先生がこの作品により、音楽に目覚めたとおっしゃる力作。 確かにこれより先に連載されていた「風と木の詩」も音楽院が舞台とはいえ初めは単にディテイルに過ぎなかった。が、この短編と交互に描くことにより、あの作品も多分音楽通の方も納得の出来栄えになっていったと思う。 私は「風と木」よ...
竹宮先生がこの作品により、音楽に目覚めたとおっしゃる力作。 確かにこれより先に連載されていた「風と木の詩」も音楽院が舞台とはいえ初めは単にディテイルに過ぎなかった。が、この短編と交互に描くことにより、あの作品も多分音楽通の方も納得の出来栄えになっていったと思う。 私は「風と木」よりもずっとこちらが好きです。竹宮先生の描く、自分の感情を押し殺した生真面目な少年・・・いたいけさにジーンとくることがしばしばあります。ああいく子供を描くのは本当にお上手ですね。BL要素もあるし、私は基本BL系は読みませんが、美しいお話です。
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