危機管理 の商品レビュー

宮林正恭(著者)

2009/10/04

学者の方が書いた本ということで、危機管理の全体像を把握するにはいいのではないか。

言葉の定義として
・もともと危機管理とはクライシスマネジメント（国家安全保障関係の用語だった）を指していたが、リスクマネジメントも混同されることが多い
は理解しやすかった。この書籍では両面合わせて幅広く記載されているが紙面としてはクライシス系の危機に多くが割かれている印象がある。

危機管理全体の業務フローは参考になる。
?潜在的危機案件の抽出・認定
?危機に至るまでのシナリオ書き
　シナリオ発生可能性の推定・パスの要素分析・相対比較
　クリティカルパス要素摘出
　対応案作成
?危機管理計画の作成
?平常時危機管理の実行
?危機の発生と緊急対応
?危機対応終了後の危機管理

など、前半部分はクライシスマネジメントを対象としつつも汎用性のある解説となっているため参考になる部分が多かった。

後半部分は政治・災害・医療・環境・経済危機など対象が広くなってしまいややぼやける印象がある。