企業倫理とは何か の商品レビュー

平田雅彦(著者)

ＣＳＲは「企業の社会…

[文庫ＯＦＦ]

ＣＳＲは「企業の社会的責任」と訳されている概念。その根源を探る。

2014/09/15

江戸時代の商人であり学者でもあった石田梅岩の「心学」の分析を通じて、現代のCSRに必要な思想を説いている。
江戸時代に企業はなかったが、商いというものは普遍的なものと言える。現代の様々な企業の問題は、この基本が忘れられていることに関連するのかも知れない。
しかし松下に居た人は著書等に必ず松下幸之助への賞賛を盛り込むものか。本書もその一つ。確かに希有な経営者であるとは思うが、その思いが組織内に徹底的に浸透しているのが凄いと思う。そう言えばこの本、PHP研究所の発行だった。

2010/06/30

［　内容　］
あらゆる業界の不祥事が明るみにされ、企業の社会的責任（ＣＳＲ）を問う声が高まっている。
コンプライアンスやステーク・ホルダーといった言葉も急速に浸透し始めた。
しかし、欧米流の経営を学ぶ前に、日本独自の「商人道」を見直すべきではないか。
江戸期に確立した石田梅岩の「心学」にこそＣＳＲの原型があるのだ。
「お客様満足」「利益の正当性」「倹約と正直」「持続可能性」…。
梅岩の著『都雛問答』『斉家論』をひもとき、「資本の論理」と「倫理」のバランスを諄々と説く。
「誠実な会社」になるための最良のテキスト。

［　目次　］
企業の社会的責任とは何か
商人道とは―一銭を軽んじない精神
お客さま満足―富の主は天下の人々なり
天地自然の理―生成発展の法則に従う
コンプライアンス―不祥事をいかに防ぐか
利益の正当性―何のためのお金儲けか
共生の理念―一人勝ちでは生きてゆけない
倹約と正直―生来の人間の心に返れ
倹約と愛情―自分のためより世界のため
コーポレート・ガバナンス―心の奢りを戒める
ボランティア精神―他者への奉仕こそ生きがい
自得と独創―新しいことは自分で体得せよ
勤勉―骨身を惜しまず夢中になれる仕事とは
石田梅岩とその後継者たち

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

［　参考となる書評　］

2020/02/16

実社会から引退された方に薦められて。

私も引退後に読めばその真価を理解できるのかもしれません。
江戸時代の商人と資本主義社会における企業倫理を結びつけるのは、斬新かもしれないけれど無理があるような気がしました。
日本らしいやり方で、っていう頑なな主張は大切なことだと思います。