ミゲル・ストリート の商品レビュー
原文で読んでみたいとおもった。 字の英語と過去の住人たちとの違いは、日本語での表現が難しいところもあるのでしょう。 子供のころみた世界はどれだけ輝いていたんだろう。たった一つの小さなストリートの中なのに
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インフルエンザ闘病中に読破の為、うまく感想が書けない…でもそういうこと。身体と脳に優しい文学。でも優しいだけじゃないよ、だってボガードという大工は「名前のない物」を作っているのだし、そういうものさえ作っていないと主人公は言うからね。あー早く本が読めるように元気になりたい(._.)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トリニダード・トバコ出身のノーベル賞作家ナイポールの描く、トリニダード・トバコのスラム街ミゲルストリートのお話。 各章は、ミゲルストリートの奇妙な住人たちの物語で構成されている。 「なまえのないもの」を作り続けている大工、世界一の詩を書き続ける詩人など、夢を捨てきれない人生の敗残者とも思われるような人達。 どれもこれも悲惨な状況なのに、なぜか明るくてあたたかい。こんな生活も悪くないなと思ってしまったりもする。 この感じ・・なんだか記憶にあるなあと・・・中場利一氏の岸和田少年愚連隊のシリーズに近いのかもしれない。 あの作品も、カオルちゃんやらイサミちゃんやら、けったいな登場人物のオンパレードだった。 最近読んだ小説の中ではNo.1な作品でした。オススメです。
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不思議な本。おかしいのだけれど、その笑いにはイタロ・カルヴィーノの『マルコヴァルドさんの四季』に通じるところがある。笑いが苦いのだ。苦いけれど、著者のまなざしにはなつかしさをこめた温もりがある。 主人公の「ぼく」は母親とトリニダートのミゲル・ストリートに移り住む。各章でこの通...
不思議な本。おかしいのだけれど、その笑いにはイタロ・カルヴィーノの『マルコヴァルドさんの四季』に通じるところがある。笑いが苦いのだ。苦いけれど、著者のまなざしにはなつかしさをこめた温もりがある。 主人公の「ぼく」は母親とトリニダートのミゲル・ストリートに移り住む。各章でこの通りの住人一人ずつにスポットがあたる。名前のないものを作っている自称大工ポポ。修理すると車が動かなくなってしまう機械いじりの天才。そんな按配で、この通りの住人は、自分がこうありたいという夢と乖離したままに生きている人たちだ。そういう住人たちに「ぼく」は親しみを感じている。必死に勉強し、みんなの期待を担っていた少年エリアスは、ミゲルストリートの憧れの的、ゴミ収集車の運転手になる。エリアスと同じ試験を受けた「ぼく」はこの本の最後の章でミゲル・ストリートを離れる。イギリスに留学することになったのだ。 通りには住人の夢を果せない苦さが循環している。最後に通りを出ることになった「ぼく」のミゲル・ストリートに対する距離感が、苦さへの距離感にもなっていて、この本に感じる不思議さのもとなのだろう。
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トリニダード出身の作者の描くトリニダード。時代は第二次大戦期で、まだイギリスの植民地支配下にあった頃。 少年時代の回想という形をとっているので、基本的には懐かしく、また人情味がある短編が多いのだが、登場人物はみんな夢が破れて、どこか諦めた雰囲気がある。イギリス本国に対する劣等感、...
トリニダード出身の作者の描くトリニダード。時代は第二次大戦期で、まだイギリスの植民地支配下にあった頃。 少年時代の回想という形をとっているので、基本的には懐かしく、また人情味がある短編が多いのだが、登場人物はみんな夢が破れて、どこか諦めた雰囲気がある。イギリス本国に対する劣等感、被支配感が、「このトリニダードで何ができるってんだよ」という台詞に如実に表れており、どちらかといえば物悲しい雰囲気のただよう作品である。
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