1,800円以上の注文で送料無料

音楽をよむ の商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/04/25

 版元のメタローグは『recoreco(レコレコ)』『LITTERAIRE(リテレール)』など文芸分野を得意とする出版社だったが、2005年夏に倒産。もはや増刷はあり得ないので、本書も現在流通している限り。ミニシアターのように、小さいながらも趣味性が高くて良質な作品を出す出版社が...

 版元のメタローグは『recoreco(レコレコ)』『LITTERAIRE(リテレール)』など文芸分野を得意とする出版社だったが、2005年夏に倒産。もはや増刷はあり得ないので、本書も現在流通している限り。ミニシアターのように、小さいながらも趣味性が高くて良質な作品を出す出版社がどんどん無くなっていってしまうのは寂しい限り。  前置きはこのぐらいにしておいて本の紹介を。はっきりいって意味不明なタイトル。「音楽をよむ」?「ベスト300」?「完全ガイド」ってどこが完全なの? どうやらこの書名はシリーズものらしく、本書以外にも『写真集を読む ベスト338完全ガイド』などもあることを最近知った。  「音楽をよむ」というからには、「音楽とはなにか?」という原論めいたものを想像するが、そうではない。半分くらいまではクラブ/ダンスカルチャーにまつわるエッセイやインタビューばかりがつづく。酒井隆史や清野栄一の文章など、興味深いものも少なくないが、タイトルを見たときの疑問はいっこうに解消されない。  これが後半になると印象が一変。「オールタイム・ベスト・完全レビュー」と題されたジャンル別に整理されたディスクガイドが実に良くできている。基本的なクラブ・ミュージックの諸カテゴリーを幅広く抑えたディスクガイドで、「ニュー・ウェーブ」から「ジャズ」「ソウル/R&B」「ファンク」「ブラジル」「ラテン/アフロ」など、12のカテゴリーからそれぞれ10数~20枚前後がピックアップされている。  注目は井上薫、小川充、秋山太郎などの一線級のDJ/サウンドクリエイターが執筆した一連のレビュー。よけいなクリシェを排した的確かつ簡潔な表現で、コンパクトな解説に徹していて読みやすい。選盤はかなりポピュラーなアーティストもあり、ロックを中心に聞き込んできた自分でも入り込みやすかった。『ロッキング・オン』『LOUD』といった既存の音楽誌から一歩踏み出したい、といった向きには最適のディスクガイドといえる。  自分はこれを読んでJames ChanceやPOP GROUPやJAZZANOVAなど、かなり買い込んでしまったクチ。久しぶりに買う気にさせるディスクガイドに出会った気がする。プロの音楽ライターによって手際よく整理されたディスクガイドではなくて、構成も選盤もバラバラ、ある意味雑然とした内容の本書が、実際の消費行動に結びついた。これも書籍ならではのマジックと言えるかも。

Posted byブクログ

2011/10/10

数ある音楽ガイドの中でもかなり良い本。 文字通り、読むガイド本。ピートロックのインタとか、かなり面白い。

Posted byブクログ

2009/10/04

エッセーを書いたけど、出版元が倒産、編集者から原稿料も支払われず、連絡もしてこない不幸な書物になった。

Posted byブクログ

2009/10/04

コラム・インタビュー・写真集・ディスクガイドと抱きあわせ感のかなり強い本著。 帯だけを見るとピート・ロック、ジャイルス・ピーターソン、ダニー・クリヴィット、沖野修也などなど豪華な顔ぶれが並ぶが記事や特集によってはさほど面白みに欠けるものもあり読者としては若干消化不良気味か? ...

コラム・インタビュー・写真集・ディスクガイドと抱きあわせ感のかなり強い本著。 帯だけを見るとピート・ロック、ジャイルス・ピーターソン、ダニー・クリヴィット、沖野修也などなど豪華な顔ぶれが並ぶが記事や特集によってはさほど面白みに欠けるものもあり読者としては若干消化不良気味か? 個人的にはピートロックのインタビュー「回想」はかなり興味深く読みました。トライブの名曲"JAZZ"はQ-TIPがピートロックの家に遊びに来た際に作りかけのピートのトラックを聴いてその時サンプリングに使ったレコがタンテに乗っていてそれを「へーいいねー」的な話をしたらその後まったく同じ部分をサンプリングした"JAZZ"の12"がリリースされた裏話。(ピートは俺が作った曲だと発言!)マジかよそれ!? あとはディスクガイドのコーナーで荏開津 広のセレクトが鬼渋い!この人本当にハーコーです。井上薫(CHARI CHARI)がフェイバリットのブラジルものを紹介してたりと(ジョアンの「三月の水」の直筆サイン入り持ってるんだねこの人、羨ましいわ〜。)それなりに幅広く抑えているので読み物としてはそこそこでした。

Posted byブクログ