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エセー(1) の商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2011/06/05

16世紀の思想家であるモンテーニュの代表作品です。古典とはいえ、最近でた新訳版なので、かなり読みやすい文章になっています。 「悲しみについて」「我々の行動は、その意図によって判断される」「恐怖について」「同じ意図から異なる結果になることについて」等々、興味深いテーマについて著者...

16世紀の思想家であるモンテーニュの代表作品です。古典とはいえ、最近でた新訳版なので、かなり読みやすい文章になっています。 「悲しみについて」「我々の行動は、その意図によって判断される」「恐怖について」「同じ意図から異なる結果になることについて」等々、興味深いテーマについて著者の思うところが書かれています。 読みやすい文章と興味深いテーマ。この2つの要素が揃っているにもかかわらず、読了まで2年もかかってしまっています。(正直、前半部分の内容は忘れてしまってます。(^_^;)) 本作には過去の文献から多数の引用があるのですが、それが殆どすべて古代ギリシア・ローマ時代のもの。古代ギリシア・ローマ時代から、本作が書かれた16世紀の間には「キリスト教一色の中世時代」という、ある意味哲学の長期停滞があるので、引用がこの時代のものに偏るのは仕方がないことですが、現代の読者である僕にとっては、アリストテレス、ピュタゴラス、アルケシラオスというような「・・・ッス」が氾濫する文章を、読み続けるのは正直辛いものがありました。 示唆に富み、読むだけの価値は十分ありますが、読まれるときには、それなりの覚悟が必要かなと思います。

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2019/01/16

エリック・ホッファーが暗記出来るほど読んだという事で手にしたのですが、面白いです。 難しくなく、スッと入れるのは翻訳家の方の努力の賜物だと思います。

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2010/11/20

だいぶ前の事だが、翻訳という技術が全く情けないものになったと誰かが嘆いていたが、最近の翻訳者たちはすごいのではないか?宮下訳のエセーも従来にない読みやすさがある。第1巻でも全部読めたのは訳者のおかげである。 「死など恐ろしくはない」といいながらいつも死について考えているモンテー...

だいぶ前の事だが、翻訳という技術が全く情けないものになったと誰かが嘆いていたが、最近の翻訳者たちはすごいのではないか?宮下訳のエセーも従来にない読みやすさがある。第1巻でも全部読めたのは訳者のおかげである。 「死など恐ろしくはない」といいながらいつも死について考えているモンテーニュがなんとなくおかしいなどど思いながら読んだ。 英才教育を受けフランス語よりラテン語を得意としたモンテーニュという人となりも考えさせられるものがあったし、若くしてさっさと隠居し、塔にこもって出てこない館主のわがままを支えた人たちの事も想像してみたくなる。 現代では、隠居しても、こんなわがままはとても通らないのは言うまでもないが、当時だって容易な事ではなかったのではないのかな。

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2010/08/25

註釈で興味ぶかかったのは、イタリア語のtristezza。名詞では悲しみと悪意の両方の意味があるそうです。モンテーニュは悲しみというものを自制心を失うものとして警戒しています(第1巻2章)。それにしてもなぜ意味が両義なのか、そのルーツを知りたいものです。形容詞triste ならば...

註釈で興味ぶかかったのは、イタリア語のtristezza。名詞では悲しみと悪意の両方の意味があるそうです。モンテーニュは悲しみというものを自制心を失うものとして警戒しています(第1巻2章)。それにしてもなぜ意味が両義なのか、そのルーツを知りたいものです。形容詞triste ならば悲しいで、tristo となれば悪意がある、と意味が変わります。まれに前者でも悪意があると解釈されます。(p.26) 英語でもフランス語経由でtriste などがありますが、悪意という意味はありません。ノーテンキなイタリア人は、悲しみというものに悪意を嗅ぎとる習性があるのかもしれません。日本人の感覚からすれば、人生は美しいというよりも、人生ははかない、哀しい、というほうがしっくりきます。モンテーニュの随筆をめくって、人間としての自制をうながされるのも幸福なひとときです。読みようによって、モンテーニュはいくらでも変現しそうです。翻訳のよさがそれを保証しています。

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2009/12/21

人間の理性、判断力、知識には限界があることを謙虚に認め、試行錯誤を恐れずに真理を追究しようとしたモンテーニュの思想 「どこで死が待ちかまえているのか、定かでないのだから、こちらが、いたるところで待ち受けよう。死についてあらかじめ考えることは、自由について考えることにほかならない。...

人間の理性、判断力、知識には限界があることを謙虚に認め、試行錯誤を恐れずに真理を追究しようとしたモンテーニュの思想 「どこで死が待ちかまえているのか、定かでないのだから、こちらが、いたるところで待ち受けよう。死についてあらかじめ考えることは、自由について考えることにほかならない。死に方を学んだ人間は、奴隷の心を忘れることができた人間なのだ。」

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2009/10/04

かの有名なShu Uemura(植村秀)が二十台前半で肺結核を患った際、病床で読んでその後の人生に大きな影響を与えたというので感化されてみた。別名『随想録』

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