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冷たい肌 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2023/06/13

クトゥルー神話とのつながりがあるとうい話を聞いて入手したもののずっと積読だった本。 スペインで発表された作品とのことですが、内容は南氷洋の孤島に設置された灯台と気象観測所という全くスペインには関係ない場所。 絶海の孤島で隔離された状況で海から上がってくるカエルじみた生き物。これは...

クトゥルー神話とのつながりがあるとうい話を聞いて入手したもののずっと積読だった本。 スペインで発表された作品とのことですが、内容は南氷洋の孤島に設置された灯台と気象観測所という全くスペインには関係ない場所。 絶海の孤島で隔離された状況で海から上がってくるカエルじみた生き物。これはラブクラフトだね。でも内容は怪奇趣味の単純なホラーではない不思議な魅力を持つものになっています。スペイン内線をくぐり抜けてきた著者だからこそ描かれるものが滲んでいるからなのかな。それは絶望に打ち勝つ方法としての心構えとしてもこんなふうに表れています。「お前は死んでいる。したがってたとえ苦境を切り抜けられなかったとしても失うものはない。仮にここを抜け出すことができたら、お前は完全な勝利を収めたことになる。つまりお前は生き返ることができるのだ。」今のロシアとウクライナの問題を暗示しているような感じだったりもしてぞっとします。 クトゥルー神話に則った作品であることは確かなようですが、アメリカ産のエンターテイメントとはまた違った色合いが興味深いです。違う文化圏に触れるということはやっぱり刺激的で面白いですね。スペインにも行ってみたいなぁ。

Posted byブクログ

2019/10/23

面白かった~主人公がいったい誰なのか、これも円環になっているのかなと思う。 遠い島に気象観測官として派遣されてきた主人公はアイルランドの孤児という設定も驚いた。この作品はカタルーニャの作家さんなのに全くカタルーニャのことは書いていない。それでもここに書かれている海の底からやってく...

面白かった~主人公がいったい誰なのか、これも円環になっているのかなと思う。 遠い島に気象観測官として派遣されてきた主人公はアイルランドの孤児という設定も驚いた。この作品はカタルーニャの作家さんなのに全くカタルーニャのことは書いていない。それでもここに書かれている海の底からやってくる怪物たちは内戦のことを表しているんだということはなんとなく分かった。冷たい肌って怪物のことだった。Twitterで紹介している人がいなかったら絶対読まなかった作品なのでたいそう楽しめました。文庫化したらいいのに。

Posted byブクログ

2018/01/22

圧巻。ちょうおもしろかった! 孤独な男が選んだのは絶海の孤島の気象観測官。無人島で一年間一人きりで任務を行う。 着任の夜、二足歩行のカエルのような生物に襲撃され、そこから壮絶なサバイバルが始まる。 灯台に生き残っていた男との噛み合わなさの理由は最後にわかる。 登場人物の素性もほと...

圧巻。ちょうおもしろかった! 孤独な男が選んだのは絶海の孤島の気象観測官。無人島で一年間一人きりで任務を行う。 着任の夜、二足歩行のカエルのような生物に襲撃され、そこから壮絶なサバイバルが始まる。 灯台に生き残っていた男との噛み合わなさの理由は最後にわかる。 登場人物の素性もほとんど説明もなく、心の叫びと生き残る執着だけが貪欲に描かれていく。 何が正しいのか、どうしたらいいのか、自分で考えるしかないんだろうな。

Posted byブクログ

2010/04/14

カタルーニャ語からの邦訳みたい。 カタルーニャのことは一言も出てこないけれど、あの内戦を意識して書いてることは自明。 ネタばれしてしまうとつまらないので最低限のことだけ。 つまるところ、もっとも恐ろしいのは「恐怖」そのもの、ということか。 あらゆる種類の紛争に通じるテーマです。

Posted byブクログ