説得力 の商品レビュー

赤木昭夫(著者)

2009/10/04

説得とは、確からしさにもとづく推論のこと。説得の中身は、「もっとも可能性や実現性が高そうだ」とする（＝「確からしさ」）であり、それは「つくる」もの。

いくつかの具体的事実から広くあてはまる法則を導きだす論法は「帰納法」。データから情報を生み出し、その例証によって「確からしさ」を示す方法。

一方、ほとんど何もないところから「確からしさ」をつくるのは「演繹的」推論。たとえば、事業計画の数値化などは、前提を駆使することによって「確からしさ」を示す。

説得力の中心は、話の中身にある。それが効果的に浸透していくように構成しなければならない。

果たして説得されたかどうか。説得の効果のほうから考えてみる。個々の聞き手の態度がどれほど変わったか。

説得が求められる状況は、「聞き手」「聞き手が解決を求める問題」「問題に絡む制約・困難」の３要素からなっている。

話し手のエートス、行動を促すメッセージだけでなく、聞き手にかかわる状況から「説得力」とは何かを説く。