杉村春子 の商品レビュー
戦前戦後を通じて活躍した大女優、杉村春子の生涯を描いたノンフィクション。 この本を読むきっかけは、杉村春子が私の出身校の前身である山中高等女学校の出身で、そのことについて書かれていることを知ったことにあります。著者は杉村春子の生い立ちの取材で私の母校にも出向いているのですが、その...
戦前戦後を通じて活躍した大女優、杉村春子の生涯を描いたノンフィクション。 この本を読むきっかけは、杉村春子が私の出身校の前身である山中高等女学校の出身で、そのことについて書かれていることを知ったことにあります。著者は杉村春子の生い立ちの取材で私の母校にも出向いているのですが、そのとき対応した教師として、私の高校生のときの担任の先生の名前が出てきて感慨深かったです。 この本の中で共感したのは、杉村春子が晩年まで広島訛りに悩まされていたということです。自分のことを引き合いに出すのもおこがましいのですが、私も上京してから広島弁を直すのにかなり苦労したし、日本語教師になってからは特にアクセントに気をつけていたのに、それでも間違ったアクセントを生徒に教えてしまったことがありました。また、ずっと前に杉村春子が鼻濁音ができずに苦労したという話を聞いて、勝手に親近感を抱いていたことも思い出しました。 今まで自分の出身校の歴史に興味をもったことがなかったのですが、意外なところからそれを知ることができ、またそのおかげで戦前戦後の演劇の世界にも触れることができてよかったです。
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本当によく調べて書いていらっしゃる。まずは、その努力に感服します。女優の伝記を書く人は大勢いるのですが、本当に難しいことだと思う。故人の名誉も不名誉も冷静に、かつ、暖かく愛情こめて書くというのは至難の業ですが、本書はかなり成功した作品だと思います。
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通勤のお供に。ボリュームのある本が読みたくてこの文庫版を読んだ。リアルタイムで杉村春子を知っている人や演劇に興味がある人には、面白いのだろう。
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