保守の論理 の商品レビュー
自民党の重鎮として文科相や内閣官房長官などの重職を歴任した政治家・町村信孝唯一の著書。本書発刊時、著者は小泉内閣の下、外務大臣の要職にあった。本書は二部に分けられ、第Ⅰ部で自身の政治信条及び国家観を論じ、第Ⅱ部で「わが家の歴史から日本を考える」との題で、町村家の歴史を通した我が国...
自民党の重鎮として文科相や内閣官房長官などの重職を歴任した政治家・町村信孝唯一の著書。本書発刊時、著者は小泉内閣の下、外務大臣の要職にあった。本書は二部に分けられ、第Ⅰ部で自身の政治信条及び国家観を論じ、第Ⅱ部で「わが家の歴史から日本を考える」との題で、町村家の歴史を通した我が国の歩みを振り返る。 著者は冒頭で、「私は自らを保守主義者であり、また小さな政府論者であると任じています(p.18)」と書く。本書発刊時、政府の役割は小さくあるべしとする新自由主義の思想が隆盛であった。だが一方で「"民にできることは民に"という政策の基本は不変ですが、ただそれだけでもうまく行かぬような気がします。公共事業の評判はあまりよろしくないようですが、しかしながらやはり、国家が将来の道筋をつける必要はあると思います(p.148)」とも述べ、軍事予算の増額にも触れるなど、単純な緊縮論者ではない。著者は「凛とした」という言葉が好きだという。祖国日本は敗戦後、米国の占領政策により背骨が曲がってしまった。凛として美しい、国家の品格を取り戻すために、教育や家庭のあり方、インテリジェンスの重要性など、祖国のこれからを語っている。 著者は北海道の名家・町村家の出身で東大経済学部卒、官僚としても活躍するなどエリート畑を歩んできた。知己のある者は揃って、毅然とした偉丈夫であったと著者を評する。国家観だけでなく、個人としても凛然とした生き様を貫いたのである。悲願の総理の座には届かなかったが、最期まで保守の理想を追求した。著者の冥福を祈る。
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20070513 自民党の町村議員の本。 保守の信条・心情はよくわかったが、具体的な主義・政策が書かれておらず、がっかり。 これだと櫻井よし子レベルにとどまるとも言える。 もう少し詳しく書いてほしいなあ。
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