マニュアル 障害児が普通学級に入ったら読む本 の商品レビュー
「マニュアル」と銘打っているが、どちらかというと事例集。 各事例での学校の対応などの他、改善を求めた際の「要望書」が資料としてついているので、それを参考に、ということか。ただ、この本を読んで感じた印象では、先生と子ども、保護者の関係が良好であるほど、普通学級で学ぶよさが引き出され...
「マニュアル」と銘打っているが、どちらかというと事例集。 各事例での学校の対応などの他、改善を求めた際の「要望書」が資料としてついているので、それを参考に、ということか。ただ、この本を読んで感じた印象では、先生と子ども、保護者の関係が良好であるほど、普通学級で学ぶよさが引き出されていると感じたので、「要望書」は最終手段で、普段のコミュニケーションが大切かな、と思う。 読んでみて、普通学級で学ぶことのが吉とでる凶と出るかは、ほとんど学級担任にかかっていると感じた。担任が、あたりまえに障がいのある子を受け入れ、尊重しているクラスでは、子どもたちも自然にその子を受け止めている(特に低学年では)。担任がその子を「お客様」扱いしていれば、子どもたちにとってもお客様であるし、担任が「お荷物」扱いしていれば、いじめに発展する。障がいのある子もきちんと尊重されているクラスは、健常の子も障がいのある子から、たくさんの大切なことを学ぶチャンスがある。その時、介助する大人が、「他の子に迷惑をかけてはいけない」と思ってはダメなようだ。子どもたちに任せていると、どうやったら障害のある子と一緒に楽しめるか等を自分たちで考えて行動し、解決していく。この「自分と違うところのある子の事を考え、その子と一緒に活動するためにいろんな障害を乗り越え解決する力がつくことが、障がいのある子と過ごすことの醍醐味。お客様では駄目なのだ。学校は社会の縮図。みんな違うことを前提に育った子どもたちが増えていけば、社会も「みんなちがってみんないい」という社会になると思うのだけれど・・・。 ハズレ担任に当った場合、泣き寝入りしかないのかというと、偏見に満ちた教師が、途中で改心してうまく回りだしたケースも出てくるので、親はどんなに疲れても、担任と話し合うことをあきらめてはいけないと思う。担任に余裕があることも大事なので、少人数クラスか質の良い補助員をつけてもらうことが望ましいと感じた。
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