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斬られ権佐 の商品レビュー

4.2

29件のお客様レビュー

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せつなすぎる結末です…

せつなすぎる結末です。妻・娘を、とてもとても愛していることがよくわかります。顔も体も傷だらけの権佐だけど、大きな優しさで家族を包んでいます。最後の方は、もう悲しくてせつなくて涙が止まりませんでした。

文庫OFF

好きな女性を救うため…

好きな女性を救うために八十八の傷を負った権佐。どんなに斬られても愛していろ人を救いたいという、権佐の一途な思いが私は好きです。

文庫OFF

2023/01/19

体中に傷がある権左が、岡っ引きをつとめて江戸の町と家族をまもる時代小説。医者でもある妻のあさみがいい感じ。体の傷は、かつてあさみを助けるために侍たちに斬られたものだが、命をとりとめたものの傷が原因で作中後半に床に伏せるようになり、身を挺して娘を助けて死ぬ。結構面白かった。

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2022/10/31
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 権佐は医者のあさみを助けるため全身八十八ヶ所に傷が。権佐とあさみは夫婦になりお蘭5歳との暮らしが。お蘭が攫われ、権佐は今度は娘を庇ってとうとう命の火が消えてしまう。切ない物語。宇江佐真理「斬られ権佐」、連作6話、2002.5刊行、2005.4文庫。

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2021/04/11
  • ネタバレ

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2021/4/9 残りが限られてるとわかってるから読むのが慎重になっちゃう。 とは言え私だっていつどうなるかわからんのやし、読むべきやな。よし。 権佐かっこいいんだけど痛々しくって。 近々死ぬと悟った姿、家族もみんなせつない。 やすのおっちゃんどこ行ってんねん。全く。 江戸言葉が相変わらず素敵です。 おっこちきれた(=ぞっこん惚れた)とかお馴染みの滅法界とか。

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2019/12/02

純粋に(?)時代小説を手に取るのは、生まれて初めてだった。 少年時代に好きだった漫画の原作ということで読んだ隆慶一郎(「一夢庵風流記」ほか)は、時代劇というより一種の冒険活劇。少年漫画のまんまの世界観だった。 映画の原作だった「たそがれ清兵衛」(藤沢周作?山本正五郎?)は、筆...

純粋に(?)時代小説を手に取るのは、生まれて初めてだった。 少年時代に好きだった漫画の原作ということで読んだ隆慶一郎(「一夢庵風流記」ほか)は、時代劇というより一種の冒険活劇。少年漫画のまんまの世界観だった。 映画の原作だった「たそがれ清兵衛」(藤沢周作?山本正五郎?)は、筆者名すら自信をもって挙げられない。 好きな作家が書いた時代劇、宮部みゆきやら佐々木譲やら百田直樹やらは当然面白かったけれども。 時代小説を時代小説として選んで、購入したのは初めてだった。 古書店の百円本コーナーで探し、なんとなくあらすじに曳かれただけで買った一冊だったが、思いのほか楽しく読めた。 権佐の精々しいまでの愛、 彼に心底惚れたあさみ、 父の無念と愛情を信じ最期の言葉を胸に秘めて育ったお蘭、 あさみに横恋慕しつつも一線を越えることなく見守り殉じた数馬、 みな、いとおしい。 ★3つ、7ポイント。 2019.12.02.古。 ※ただしやっぱり、主人公の死で幕を閉じる物語は、手放しで「好き」とは言えない、幼い自分(苦笑)。 ※買った本書は、百円本コーナーであるので当然だが、ぼろぼろな一冊。 もちろん、時代小説に疎い身には筆者名にも見覚えなし。 だけれど、先日書店で気まぐれに宇江佐さんの名を探してみたら、10冊近くの著作が並んでいて、本書もそのうちの1つに含まれていた。わりと人気のある作家さんだったのね。 時代小説初体験にしては、当たりを引けたらしい♪

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2016/06/29
  • ネタバレ

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目次より ・斬られ権佐 ・流れ潅頂(かんじょう) ・赤縄(せきじょう) ・下弦の月 ・温(おん) ・六根清浄(ろっこんしょうじょう) 八十八の刀傷というのは伊達ではなくて、体の表面だけではなくて内臓もボロボロ。 人情ものの主人公にしては若いまだ20代の権佐は、だから人の痛みや弱さに気づくことができるのだと思う。 本当は父の営む仕立て屋の仕事を継ぎたかった。 けれど八十八の刀傷が、細かな針仕事のできない身体にしてしまった。 権佐の強さはできないことを数えるのではなく、できることを数え喜びを感じるところ。 身体を張って愛するものを守ることができた。 小物として与力の仕事を手伝うことも、生きる張りになっている。 “「おれはよう、お勤めが好きなのよ。江戸の町をあちこち歩いてよ、悪さを働きそうな奴に、そうしちゃならねェと教えてェのよ。真面目にやってりゃいいこともあるってよ」” 子煩悩で親孝行で。 近所の親父さんやばあさん、子どもたちに優しいまなざしを向ける。 それがたとえご政道に背くことになっても、人の心を救おうとするのだ。 身体を張って愛するものを守った権佐は、身体を張って愛する子どもをもまた、守ろうとする。 親子の絆は、暮らした年数ではないのだ。 この小説の最後はちょっと想像の上を行っていて、解説の藤水名子ではないけれど“読了後しばらく、途方に暮れてしまった。” もちろん、いい意味で。 連作短編集でありながら、ひとつの大きな作品でもある。 権佐の生きざまが胸を打つ。

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2016/04/25

刀傷を背負い、不自由な体で与力の小者をつとめる権佐。 女房のあさみは女医師。 事件が起きれば権佐が悪を追い、 あさみが消えゆく命を助ける。 江戸・八丁堀を舞台に描く人情味あふれる連作集。

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2015/12/04
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泣けます。 妻の愛、夫の愛、父の愛。 心地よい涙をながせました。 宇江佐さんの作品の中でもダントツで好きです。

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2015/02/07
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権佐のキャラクターが魅力的だった。 惚れた女を助けて、88か所の刀傷を負った時のセリフ、 「縁もゆかりもあらァな。おれはよう、おれは、あさみ様におっこちきれたからよう」(P-46) (おっこちきれたは、流行していたセリフで”ぞっこん惚れた”という意味) 死ぬ間際、娘に言ったセリフ、 「お蘭、さっき、おれが言ったこと忘れんなよ」(P-290) かっこよかった。 事件の謎解きも面白かった。 兄の権佐の事が大好きな弟の、その後がかわいそうだったな。

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