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空飛ぶ木馬 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/11/19

アラビアンナイトより「空飛ぶ木馬」と「アブ・キルとアブ・シル」の二篇が収録されている。 『空飛ぶ木馬』 ペルシャのサブル王は大変大金持ちで、気前のいい王様でした。その王子のカマル・アル・アクマル(「月の中の月」という意味)は、大変美しく知恵と勇気がありました。 ある日サブル王の...

アラビアンナイトより「空飛ぶ木馬」と「アブ・キルとアブ・シル」の二篇が収録されている。 『空飛ぶ木馬』 ペルシャのサブル王は大変大金持ちで、気前のいい王様でした。その王子のカマル・アル・アクマル(「月の中の月」という意味)は、大変美しく知恵と勇気がありました。 ある日サブル王のもとに、ペルシャ人の老学者が空飛ぶ木馬を売り込みに来ます。カマル・アル・アクマル王子がその木馬に乗ると馬は空へ浮かびます。聡明な王子はすぐに木馬の操縦を覚えて他の国々への冒険に出かけます。王子は夜になるとある王宮に降りました。そこはサナアの都で(現イエメンの首都)、絶世の美女のシャムス・アル・ナハル姫の前に辿り着くのでした…。 == アラビアンナイトに出てくる望みや財宝は無尽蔵だ。冒頭のサブル王は気持ちよく遊蕩して国民や客人へも気前が良い。出てくる人たちも広範囲の国々に渡っている。最初はペルシャ、王を尋ねる客人はインドやギリシャ人、そして王子が行き着いたのはサナア(現イエメンの首都)。そして言語もペルシャ語、ヒンディー語、アラビア語、ラテン語、ギリシャ語で、これらを使いこなすことが人より抜きん出る条件となっている。 空を飛ぶということは人間の夢だが、このお話では、すべての人間が良い使い方ができるとは限らない、というなかなか冷静な判断がくだされていた。 『アブ・キルとアブ・シル』 染屋のアブ・キルはほとんど詐欺師。エジプトにいられなくなったアブ・キルは、人の良い床屋のアブ・シルとともに旅に出た。旅の途中も、ある都に留まってからも、アブ・キルはアブ・シルに働かせて自分は寝てばかり。やがてその都で二人はそれぞれ商売で大成功する。 だがアブ・キルは、事あるごとにアブ・シルを陥れようとするのだった。 ==軽い語り口に気ままな登場人物なんだが、中身ななかなか人の心の複雑さが出ているお話だった。アラビアンナイトの世界では人が財産を築くのも命を落とすのも一瞬だ。

Posted byブクログ

2020/07/19

「空飛ぶ木馬」「アブ・キルとアブ・シル」の2話収録。 「空飛ぶ木馬」はイケメン王子と美女の恋と冒険。「アブ・キルとアブ・シル」が意外にもちょっと切なかった。ラストのアブ・キルの台詞、私はそのままの意味には捉えないけど、子供が読んだらどう捉えるんだろう。

Posted byブクログ

2014/02/26

「空飛ぶ木馬」「アブ・キルとアブ・シル」を斎藤さん流に書かれたお話。 とりあえずアラビアンナイトが読みたかったので満足ですー。

Posted byブクログ

2012/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

斉藤洋のアラビアンナイトシリーズ4冊目。 ある国王に献上された黒檀でつくられた木馬。美しく、たくさんの宝石がちりばめられているというだけでなく、空を飛ぶのです。しかし、それを献上したペルシャの老人は、かわりになんでも希望をかなえると言われ、王の娘を妻に欲しいと言う。年がちがいすぎる!ところで、その国の王子は、木馬にのって異国へ行き、美しい姫と出会い、恋に落ちる。恋と冒険の物語。 もう一作「アブ・キルとアブ・シル」の話。腕がいい染め物職人だが、怠け者で人を騙してばかりのアブ・キル。腕がいい床屋で、やさしく、気前のいいアブ・シル。いつもアブ・キルのために食事をやったり、面倒をみてやっているアブ・シル。しかしアブ・キルはアブ・シルをおとしめていく。最後はアブ・キルの悪事はばれて処刑されるが、最後までアブ・キルはアブ・シルを嫌っていて、それなのに、アブ・シルは友情を感じている不思議。

Posted byブクログ