ますむら・ひろしの「ゴッホ型猫の目時計」 の商品レビュー
猫のヒデヨシが生き生きとゴッホを紹介します。 ますむら流ゴッホが素敵です。 絵画の世界が近くなります。
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中学に入って美術と呼び方は変わったある日、授業で学校周辺の写生をしました。画面の中の一軒の家の赤い屋根の色がどうも思うようにいかず、さんざん考えた末、勝手に青い屋根にしてしまいました。見回って来た先生が「あれっ?」と言ったので、黙って先生の顔を見て頷きました。なにか言われる覚悟は...
中学に入って美術と呼び方は変わったある日、授業で学校周辺の写生をしました。画面の中の一軒の家の赤い屋根の色がどうも思うようにいかず、さんざん考えた末、勝手に青い屋根にしてしまいました。見回って来た先生が「あれっ?」と言ったので、黙って先生の顔を見て頷きました。なにか言われる覚悟はしていたのですが、先生も黙って頷くと、親指をぐっと立てて行ってしまいました。 1ヶ月後、その絵が市の中学校写生展で銀賞に入った事を知らされました。 「そうか。絵は見たままに描かなくてもいいんだ。自分が感じたように描けばいいんだ。」 何も言わずに私の絵を市展に応募してくれていた先生のお陰で、私はそれを知る事ができました。そしてゴッホも好きになったんですよ。私が13歳の時でした。 前置きが長くなりました。 うちの息子は、ますむらひろしさんのマンガ「アタゴオル」のファンで、一連のコミックスは大体持っていると思います。(笑 この間、近所の書店に注文してあった新刊を受け取ってきました。 見るとゴッホじゃないですか。「へぇ〜分かるのかな?」と思いましたが口を出さずにおきましたら、翌日「結構面白いよ」と言うじゃないですか。 「お主、なかなかやるな!」とは言わずに「じゃあ貸して」と言って読んでみました。 ゴッホの「自画像」とスミレ博士が対峙していたり「跳ね橋」の下でヒデヨシが釣りをしていたり。如何にもアタゴオルらしいですね。でもこの本の場合はちょっと違うんです。 ゴッホに対して寄り添うような不思議な感覚があるんですよ。 ますむらさん、ゴッホを愛してるね。作品の最後を「・・・心からの、握手を・・・」で結ばれている事で、それは確信できました。 あとがきの「ビンセント計画」には、私も思い当たる事が書かれていますが、ここではこれ以上書きません。是非この本を買ってお読みください。
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